クールビズにカジュアルフライデー。世の趨勢はあっという間にカジュアル路線へとシフトしたが、だからこそONでもOFFでも、あえて装う=ドレスアップすることの意義と評価が高まってきているのではないだろうか。

とはいえ、ただ従来どおりにスーツ一辺倒というのでは、いささか柔軟性に欠ける。スーツを着るなら、制服のように「着させられる」のではなく、より積極的に選び、楽しむ姿勢を表明したい。

その一つの解としてのオーダースーツは別の記事で触れるとして、まず手始めに提案したいのがネイビージャケットの活用である。ドレスコードではスーツに比べて1段階カジュアルな、いわゆるジャケパン(ジャケット+パンツ)スタイルと称されるものだが、スーツにはない上下の組み合わせによって、着る者の人となり、さらにはクラス感や美意識までをスマートかつさりげなく表明できるのだから、自らを以て社の広告塔に任ずるエグゼクティブであれば、うまく利用しない手はない。

初めに着眼すべきは、ネイビージャケットの汎用性の高さである。凛々しさと清潔感、若々しさといったビジネスパーソンに必須の要素を備え持つネイビーはまた、ほかの色との相性も良く、パンツの色を選ばない。極端に言うと、パンツさえ替えれば、1着のネイビージャケットで1週間を毎日違う印象で着回すこともできるのである。

今回は、イタリア、アメリカ、イギリスを代表するブランドから四つのコーディネートを組んでみた。自分の個性を主張しつつも、フォーマルからカジュアルまで、TPOに合わせていつでも新鮮な印象に着こなすことのできるネイビージャケットを、ぜひワードローブに加えてほしい。

Ermenegildo Zegna 素材を変えて、ネイビーの色を 重ねる

ジャケット33万円 シャツ5万4000円 ネクタイ2万3000円 ポケットチーフ1万3000円パンツ7万8000円 靴9万5000円 バッグ19万5000円(すべてエルメネジルド ゼニア)

普通のスーツに飽きたというエグゼクティブにお薦めしたいのが、エルメネジルド ゼニアの同色、異素材のセットアップ。一見スーツのようだが、上下の素材感の違いが、着る者の繊細な美意識をほのめかす。バッグやシューズもネイビーで揃えれば、さらに洗練された印象を与えてくれるだろう。

Brooks Brothers 目を奪う爽やかさ。ホワイトパンツという選択肢

ジャケット6万4000円 シャツ1万3000円 ネクタイ1万4000円 タイバー1万4000円 ポケットチーフ6000円 パンツ1万5000円 靴9万4000円(すべてブルックス ブラザーズ)ブリーフケース6万5000円(トゥミ)

オーセンティックかつ若々しい印象の、金ボタン付きネイビージャケット。アメリカントラッドを代表するブランド、ブルックス ブラザーズのいわゆるブレザーを着こなすなら、こんなホワイトパンツで清々しいくらいの爽やかさを狙いたい。

HACKETT LONDON ネイビー×グレーという王道の潔さ

ジャケット6万6000円 シャツ2万8000円 ネクタイ1万3000円 パンツ3万4000円(すべてハケット ロンドン) ポケットチーフ1万2000円(ターンブル&アッサー) 眼鏡4万2000円(アイヴァン 7285)

「Mr. クラシック」の異名を持つジェレミー・ハケットが打ち出すスタイルは、ルールを守った中での洒脱な遊び心を随所に滲ませる。例えばこんなネイビー×グレーの王道的色合わせも、ボタンをシルバーにすることでよりモダンかつシックな印象に。

dunhill 落ち着きを滲ませるブラウンとの色合わせ

ジャケット26万円 シャツ6万円 ネクタイ2万円 ポケットチーフおよびパンツともに参考商品 靴7万8000円 バッグ21万6000円(すべてダンヒル)

ネイビージャケットにブラウンシューズというのは、最も好相性といわれるスタイルの一つ。王道でいけばパンツはグレーを選ぶべきところを、そこもブラウンにしてみる。するとダンヒルらしい、洗練された大人の落ち着きが醸し出されるから不思議だ。

model:Yusuke Hirayama
styling:Takuro Tsuchida
hair & make:RINO
photograph:Yoshihiro Kawaguchi
edit & text:Lefthands