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ブランドアイコンを使った商品のデザインは制約が多く難しいはずだ。しかし、奇才キム・ジョーンズは自らの革新的な感性と老舗の格式をうまく融合させて新作コレクションを作ってみせた。そんな彼の仕事を実際に身につけることでデザインの本質についての何かしらの気づきを得られるに違いない。
(STYLE編集部)

圧倒的な存在感、「ディオール オブリーク」

今回紹介するコレクションを手掛けたキム・ジョーンズは世界のメンズファッション業界を牽引するデザイナーとして揺るぎない地位を確立している。イギリスのスポーツウェアブランド「アンブロ」、「アレキサンダー マックイーン」などでデザインを手掛けた後、ルイ・ヴィトンではメンズスタジオディレクターとして、ラグジュアリーファッションとストリートウェアをリンクさせ大いなる功績を残した。また彼自身が、ナイキやGUとコラボレーションし、遊び心溢れた作品を世に送り出すなど、革新的なファッションの仕掛け人としても注目されている。

ディオールの伝説、マルク・ボアンがメゾンの象徴となる「ディオール オブリーク」を発表したのは1967年。キム・ジョーンズはそんな伝統あるシグネチャーアイコンを使った新作をサマー2019メンズコレクションで発表した。

展開されたのはサドルバッグ、スニーカー、バックパック、ショルダーバッグなど。それらは圧倒的な存在感を放ちながら、スポーティからカジュアル、ドレッシーまでいかなるスタイルにも馴染む。シーンを選ばないマルチプレイヤー揃いで、使いやすそうだ。

抜群の安定感、「サドル」バッグ

次に紹介するのは、2000年のウィメンズコレクションに登場した「サドル」バッグだ。ディオールのエレガンスを体現した作品として大きな話題となり、ビヨンセをはじめとするセレブリティも愛用している。気鋭のデザイナーは、この「サドル」バッグを再解釈し、男性的なエッセンスを落とし込んでみせた。

ネイビー グレインドカーフスキンにホワイトステッチがあしらわれているネイビー「サドル」バッグ30万円(税別)
KAWS“BEE”「サドル」バッグ33万円(税別)キム・ジョーンズがアトリエで働く職人たちを愛情を込めて蜜蜂に例えたことからデザインされたBEEのモチーフ

「サドル」バッグのラインは、落ち着いた印象ながら一目でそれと分かるユニークさとどこから見ても収まりが良い安定感を併せ持つ。バッグに合わせてコーディネートする必要はなく、このバッグをもって出かけさえすればスタイルは格上げされる。

KAWS“BEE”「サドル」バッグはサイズの大きな蜜蜂のモチーフがあしらわれ、遊び心を感じさせる。しかし、メゾンのアイコンバッグがベースとして効いているので、表面で遊んでもブランドの安心感を損なわれない。

伝統あるブランドの財産にデザイナーの個性が掛け合わされることで、面白さとエレガンスを併せ持つプロダクトに仕上がっている。ディオールというブランドの真骨頂を見た。

サヴォア フェール(職人技)のビデオ
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クリスチャン ディオール
TEL:0120‐02‐1947

text:Kyo Kuon