英国の高級ブランドでは、ブルドッグのモチーフが使われることが多い。その昔、闘牛用の闘犬だったブルドッグは英国原産。19世紀半ば、動物愛護令により過酷な環境から解放されると、愛玩犬として広く飼われるようになった。その後、国犬に指定され、いまも人気が高い。歴史と伝統あるブランドがブルドッグを使うのには、そんな文化背景がある。
20世紀初頭、創業当初のブティック「ダンヒル・モートリティーズ」にも、ブルドッグのマスコットが置かれていた。それは「クルマ愛好家のために、クルマ以外のすべて」をテーマにコレクションを展開するダンヒルが、交通安全のお守りとして誕生させたものだ。以後、ブルドッグはキーフォブ(キーホルダー)やペーパーウェイトなど様々なアイテムに使われ、ブランドのアイコンとしていまもなお愛されている。
2017年のホリデーギフトキャンペーンでは、ジップフォリオとウォレット、キーフォブに、ブリティッシュブルドッグが描かれている。
手掛けたのはSNSでも有名なロンドン在住のファッションイラストレーター、Mr.SLOWBOY。数々の英国ラグジュアリーブランドとコラボレートする、いま話題のアーティストだ。彼が描くどこかレトロでコミカルなイラストは、日本の浮世絵に影響を受けているという。
今コレクションのブルドッグは、ヴィンテージなタッチに現代的なポップテイストを乗せたもの。大人の男性がそっと内ポケットに忍ばせておけば、茶目っ気を表現するのにうってつけの逸品だ。
ダンヒルのホリデーギフトには、定番のモダンな幾何学模様「カドカン エンジンターン」シリーズからラゲッジタグや iPhone ケースが登場。また、カーフレザーのケースに収められたチェスやポーカーセットなどのゲーム、ブラッシュドメタルの洗練された質感が美しい卓上ボールペン、カシミアのスカーフやシルクのタイ、ベルトやカフリンクスなど数多くのアイテムがリリースされる。
日本では、干支をモチーフにしたアイテムは「家内安全・商売繁盛」の縁起物。2018年の干支は戌。来年のビジネス小物にイングリッシュブルドッグが描かれたダンヒルの小物を使えば、仕事でもプライベートでも、なにかいいことがあるかもしれない。
text:Yasuyuki Ikeda(zeroyon)