“仕事後にラウンド”も珍しくない時代に
例えば、平日の朝にゴルフレッスンを受けた足でオフィスに向かう。あるいは、ゴルフ場でリモートワークを行った後にラウンドに出る。少し前では考えにくかったそんなゴルフの楽しみ方が、働き方の変化やデジタル化の進展により徐々に可能になってきた。街中でもレッスンが受けられるゴルフスタジオや、ハーフラウンドで回れるゴルフコースが増えた昨今、ゴルフはより日常的に、より気軽な気持ちで楽しめるようになった。
楽しみ方が変われば、それに応じてスタイルも変わるもの。オン・オフにとらわれずにゴルフを楽しみたいというビジネスパーソンにとって重宝しそうなのが、ゴルフ関連のウエアやアイテムを手掛けるマーク & ロナのセットアップだ。このセットアップを含むマーク & ロナのハイエンドライン「CODE COLLECTION」(コードコレクション)は2019年に初めて発表され、それ以来、シーズンごとに新しいデザインのニューモデルが登場。7シーズン続く人気のコレクションとなっている。
人気の理由は、なんといってもオフィスからゴルフコースまでをカバーできる使い勝手の良さにある。上下ともに表地はウールとアクリルなどを混紡したポンチ素材(2層のジャージー素材)で、上質感がありながらストレッチ性や保温性に富む。その素材を用いて、ジャケットはシャープさが際立つようなシルエットを、パンツはワンタックを入れてヒップや腿周りにゆとりをもたせながら裾に向かってスリムになるテーパードのシルエットを採用。見た目はテーラードのような上品さがありながら、軽さや動きやすさを兼ね備えたセットアップになっている。セットアップなので、もちろんジャケットだけ、パンツだけの購入や着こなしも可能だ。
さらに、ディテールにもゴルフのプレーを想定した工夫が多い。ジャケットは動きやすいサイドベンツ仕立てで、なおかつゴルフのスイング時などに後身頃がめくれないように、それぞれのベントを隠しゴムでつなぐという斬新な仕様に。一方のパンツはウエスト部の内側に防滑性素材を施して、シャツのずり上がりを防ぎつつ、胴回りのフィット感を向上させた。ジャケットのラペルや背面の首元、パンツのベルトループ部にさりげなくあしらわれたブランドロゴのメタリックのチャームやプレートが、高級かつスポーティーなアクセントを添えている。
旧来のルールに縛られることなく発想を自由に解放し、今の時代に合った新しいスタイルを構築する。この数年はさまざまなジャンルでそうした動きが活発な感がある。
ゴルフウエアの分野でいえば、このマーク & ロナがその代表格だと言っていい。発表されるウエアやグッズはシルエット、色柄、マテリアルなどに斬新さがあふれ、まるで“ゴルフのスタイルはもっと自由でいい”とでも言わんばかりだ。オフィスからゴルフコースまで着用できるセットアップなんていう発想は、まさにその柔軟性の証左である。何を着るかは、どんな人となりであるかを伝えるコミュニケーションの一つ。こんなセットアップでラウンドしたら、周囲や部下の見る目が変わることも有り得そうだ。
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