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ファインウォッチメーカーは1日にして成らず。歴史家が語る「IWCが時計業界に起こした革新と最新...
高性能なムーブメント、時代に左右されない正統的なデザイン、価格以上のクオリティー...
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1755年にスイス・ジュネーブで創業。以来、事業を継続してきた世界最古のブランドだ。18世紀半ばのジュネーブには、技術のみならず知性や感性を兼ね備えた時計職人が多く集まっており、彼らは屋根裏部屋(キャビネット)で時計づくりを行ったため“キャビノティエ”と呼ばれていた。
そのキャビノティエの一人、ジャン=マルク・ヴァシュロンが時計工房を開いたことに端を発する。ジャン=マルクは、それまで分業体制で行われていた時計づくりをひとつ屋根の下で行う協業体制を築き、彫金細工などを施した美しい懐中時計で上流階級の人々を魅了した。19世紀になるとビジネスの才を持ったフランソワ・コンスタンタンが事業に参画し、社名をヴァシュロン・コンスタンタンへと改称。フランソワはブランドの世界進出を押し進め、より高精度、より美しい時計を追求する企業理念を育んでいった。20世紀半ばには、アメリカやスイスの天文台が主催する精度コンクールで第1位を次々と獲得したほか、薄型ムーブメントの開発でもトップの座に名を連ねることになったが、それらはフランソワが確立した企業理念の賜物といえるだろう。
1996年に時計を中心とした大手コングロマリット、リシュモン グループの一員となり、2004年にはジュネーブ郊外のプラ・レ・ワットに新しいマニュファクチュール(自社一貫生産)を開設。2006年よりレギュラーコレクションのほかに、完全オーダーの時計やユニークピースを製作する「レ・キャビノティエ」サービスを展開している。2015年には57もの機構を詰め込んだ世界で最も複雑な懐中時計「リファレンス57260」で時計関係者の耳目を集めた。