日本人の雨に対する感覚は繊細だ。というより、少し神経質過ぎるのかもしれない。濡れるのを嫌がり小雨が降るだけですぐに傘をさすので、街は傘で埋め尽くされる。ところが同じく雨の多いイギリスでは少し様子が異なる。早くから防水加工のスーツ素材が開発されたり、ハットやハンチング帽が常用されていたり、少しくらいの雨ならば傘をささないことがむしろ普通なのだ。そんなお国柄が生み出した名品がマッキントッシュ(MACKINTOSH)のフーデッドコートだ。

着丈が長すぎず、使いやすいサイズ感も魅力

マッキントッシュは1823年、スコットランド・グラスゴーのチャールズ・マッキントッシュが、2枚の生地の間に溶かした天然ゴムを塗り、熱を加えて圧着した防水布を発明したことからブランドがスタートする。この革新的な生地で製作したゴム引きコートは全英中に衝撃を与え、乗馬用コートやレインコート、さらには英国陸軍のコートや英国国鉄の外套をも製作することになり、瞬く間に世界へ広まっていったのである。当初こそ、ゴム引きという特殊な素材ゆえの臭いや硬さなど生地としての課題もあったが、技術の向上によりすっかり改善され、いまでは着用しやすい素材に進化している。

ゴム引きコートのなかでもお薦めなのがフーデッドコートだ。突然の雨でも自分はフードをサッと被り、持っていた傘を同行者に手渡しでもしたらスマートな印象を残すこと間違いなし。春らしい装いが、そのまま実用になるのもフーデッドコートならではの安心感といえるだろう。

マッキントッシュ

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text:Sayuri Yukinaga