エレガンスと伝統が息づく至高の一足

礼儀作法や所作が美しく、道徳心や社会性を備えた子息子女を「どこに出しても恥ずかしくない」と表現することもあるが、エドワード グリーンの「CHELSEA(チェルシー)」は、まさにそんな言葉が似つかわしい名靴。内羽根のキャップトゥなのでフォーマルからビジネスまでオールマイティに用いることができるのはもちろんのこと、最高品質のカーフスキンを惜しみなく使い、モダンな「82」ラスト(木型)を採用したフォルムはさながら芸術作品のよう。

名車「ポルシェ911」のグラマラスな流線形にインスパイアされたと言われるだけあり、そのシルエットには不変の美が宿る。特筆すべきは、エドワード グリーンたらしめている、左右のレースステイに施された“スワンネック”と呼ばれる意匠。その名のとおり、白鳥の首のように、縫い目を鋭角にカーブさせていることで、優美な面持ちを湛えている。精緻を極めた縫製技術と最高級の革に包まれる充足感も他と比べものにならない。

目に止まる華美な装飾もなければ、これ見よがしに誇張するアイコンもない。しかし、“本物”は声高に主張したりしない。静かに足元に在るだけで無二の存在感を示し、履く者に自信を付与してくれるはずだ。

アッパーのカラーが黒の場合は、同色のライニングが配される。黄金色で印字されたブランドロゴが誇らしげに映える
英国靴の王道であるグッドイヤーウェルト製法で作られていることが見てとれる。ウェルトの目付けが丁寧で美しい
やや小ぶりで流麗な丸みを帯びたヒールカップ。かかとが小さい日本人の足に合いやすく、格別なフィット感を生み出す
問い合わせ情報

問い合わせ情報

エドワード グリーン 銀座店 
TEL:03-3573-6055

text: Masato Nachi
photograph: Kazuya Aoki
styling: Yoshiki Araki