オンタイムにおけるカジュアルスタイルが市民権を得ている昨今、夏期の職場では半袖ポロシャツ一枚姿のビジネスマンも少なくない。しかし妙齢の男性が休日然とした装いで仕事に向かうのはいかがなモノだろう? ノージャケットであっても、どこかに大人らしい“キチンと感”が欲しいもの。そんなとき胸元に一本筋をとおしてくれるネクタイは、大人の品格を表現する重要なアイテムとなる。第一回目となる今回は、“透け感”が涼を呼び込むシルク製ニットタイにフォーカス。
透け感多めのニットタイは通気性も抜群
夏期に目の詰まったジャカード織りなどのタイを巻くと、どうしても首回りに暑さが溜まりやすくなる。涼しさを求めるならば、ネクタイは目の詰まっていないものを選ぶのが正解だ。シルクのニットタイは20世紀初期から夏のネクタイとして人気を博してきた。最近では上の写真のように、生地の編み目に大小をつけることで柄を入れると同時に、通気性を高めたネクタイもリリースされている。また、幅がナロウであれば接触面も減るのでさらに快適となる。タイと同じブルーなどの寒色系のコーディネイトにすれば、爽やかかつ涼感溢れるルックスが仕上がる。
1976年、東京・青山にて誕生したネクタイブランドであるFAIRFAX(フェアファクス)。東京発のファッショナブルな本格タイを手掛ける老舗として、実力派セレクトショップでの取り扱いも多い。春夏シーズンの定番といえるシルクのニットタイは、日本の気候を考慮した独自アイテムとして早くから作り続けている逸品。その他、シャツやポケットチーフ、ベルトやマフラーなどの巻き物も手掛ける。すべて本格仕立てを貫きながら、リーズナブルな価格であるのもユーザーにはうれしいポイントだ。
今季もシルクやウール、それにリネンやコットンなど多彩な素材を用い、幅広い種類のネクタイをリリースしている。特に注目したいのがシルクニットタイのバリエーションだ。柄シャツにも合わせやすいソリッドカラーのモデルに絞っても、プレーンな無地からストライプ、菱柄など好みに応じて選べるラインナップとなっている。大剣先はスクエアなものより、三角型を選ぶ方がビジネス的で使いやすい。
styling:Mariko Kawada
edit & text:Zeroyon Lab.
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)