11月にイタリア・ミラノのオフィチーネ・メカニケ・ディ・リーヴァ・カルツォーニで開催されたイベント、「TOD’S No_Code Evolution」。そこでは、今後のトッズ ノーコードが向かう新たな方向性が発表された。それはまず、2012年発表のカプセルコレクション「トッズ ノーコード」が今夏刷新され、その革新を推し進めること。そして、同レーベルの元でアーティストやアスリート、デザイナーとのコラボレーションにより、メゾンの既存ルールや従来の枠組みにとらわれない商品を展開していくというものだ。

SHOE+SNEAKER=シューカー

今回お披露目された新作モデルは、「トッズ ノーコード シューカー02」。シューカー(Shoeker)とは、Shoe(靴)とSneaker(スニーカー)を合わせた造語である。

時代ごとにルールが変化し、オンとオフの境界線があいまいな現代において、スニーカーは一日を通して履けるアイテムになってきた。シーズンやトレンドに関係なく、クールな印象のスタイルに合わせやすく、さらに長く使えることも大切な要素である。今回の新作は、その際に求められるであろう“最新テクノロジーと、メイド・イン・イタリーの最高の素材と職人技の融合”をテーマに制作されたモデルだ。

「トッズ ノーコード シューカー02」8万3000円(予定価格・税別)

「トッズ ノーコード シューカー02」は拡張したラバーソールを持ち、このソールがステップを安定させ、長時間履いても疲れないための役割を担っている。また軽量レザーとネオプレンで作られたアッパーは、特殊な編みのファブリックで覆われている。アイコニックなシューレースがとても印象的だ。

ソク・ヨンベ氏。韓国ソウル生まれ。才能豊かなファッション・工業デザイナーとして現在はヨーロッパを拠点として活躍している

今回の「ノーコード シューカー02」プロジェクトでは、フットウェアカテゴリー一人目のデザイナーとして、韓国人デザイナーのソク・ヨンベ氏を起用した。「トッズ ノーコード」の製品哲学の解釈を彼に託し、共にコンセプトをクリアにしながら進めている。

ヨンベ氏は「靴は機能的であると同時に、モノとして美しくなければいけない」と語り、その考えは美しく構築的なフォルムに、同社自慢の高品質レザーとEVAという特殊素材を使って、耐久性も高く超軽量に仕上げられた新モデルに反映されている。

ソク・ヨンベ氏は、韓国・漢城大学校で工業デザインの学位を取得、その後イタリアへと移り、トリノのIED(Istituto Europeo di Design Torino)で勉学を続け、工業デザインの修士号を取得している。

トッズは今年12月からGQ、ローリングストーン、ICONなどの有名誌編集長を歴任してきたイタリア出版界の重鎮ミケーレ・ルーピ氏をヴィジョナリーディレクターとして迎える。そして、すでに同氏は今回のプロジェクトにも参加しているとのこと。そういう意味でも、今後のトッズ ノーコードは要チェックである。

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今回開催されたイベントでは、BMWグループのチーフデザイナーとして著名なクリス・バングル氏や、イタリア人のデザインキュレーターのアンジェラ・ルイ氏、ミラノでミシュラン星付きレストラン「TOKUYOSHI」のオーナーシェフとして活躍する徳吉洋二氏をスピーカーとして迎え、「ノーコード」をテーマとした、彼らなりの考えが語られた。それは最新テクノロジーと職人技や美意識との融合という点で、このプロジェクトのコンセプトと同調するものだったそう。ファッションという枠やルールを超え、世界との協調や影響によって生まれるというこの新しいプロジェクトから目が離せない。

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トッズ・ジャパン


text:A.Uehara