突然のゲリラ豪雨にびしょ濡れでオフィスに戻ったり、喫茶店でコーヒーを、レストランでワインをこぼしてしまったり、パスタのトマトソースを白シャツに飛ばしてしまうこと、誰にでもあるだろう。そんなときに撥水加工や防汚加工されたスーツやシャツを着ていると安心だ。最近では機能性生地のアイテムも増えているので適宜活用したい。
しかしながら機能加工の服を、ひと通り買い揃えるのは難しい。お気に入りのブランドや好みの色柄生地に、加工設定がなければ諦めざるを得ないし、すでに手持ちのノーマル服を、着ないというのにも無理がある。だが、これらに撥水加工を後付けできるとしたらどうだろうか?
しかも、市販の撥水スプレーのような簡易なものではない。専門の技術者がコーティング加工を施すことで、撥水・撥油、防汚や防臭、防カビなど、あらゆる機能を付加できるサービスを、お直しで有名なサルト銀座店で行っているのだ。実演では、コーティングした生地上を水滴がコロコロと転がっていく様子を見ることができ、その撥水力の高さに編集部からは歓声が上がったほどだ。
スーツやシャツ、ネクタイ、鞄や靴といったビジネスアイテムは、さまざまな素材が用いられている。本サービスではウール、コットン、カシミヤ、レザーなど素材ごとに独自に調合したコーティング剤を用いている。また、機能は好きなだけ追加できるので、さまざまなニーズに対応してくれるのはありがたい。料金はアイテムによるが、撥水・防汚機能なら5000円(税別)~。ドライクリーニングしなければ、機能は1年ほど持続するという。
素材本来の色味や風合いを変えることなく、様々な機能を追加できるので、手持ちの高級ブランドスーツや靴に付加することで、これまで天気や汚れを気にしてタンスの肥やしとなっていたアイテムも、着用頻度があがるだろう。
雨水やコーヒーは染み込まず、パパッと払うだけで水玉のように落ちるし、トマトソースも拭き取るだけでいい。慌てず、騒がず、つねに落ち着いて紳士的な立ち居振る舞いができるのは、エグゼクティブの余裕につながるものだけに、ぜひとも活用したい。
ちなみに加工の種類は多様だが、なかに「硬化加工」という項目がある。スマホにコーティングすれば画面割れを防ぐことができるというものだ。実際、サルト銀座店スタッフの加工済みスマホを、ハンマーで叩く実演を目の当たりにして感心した。自分のスマホだけでなく子供のスマホにこそ施工依頼したいと心底思った次第。
text:zeroyon lab.
photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)