前回は、学生時代から通っているテーラーで仕立てたネイビースーツでご登場いたいだいた池内さん。今回は伊勢丹メンズの常駐テーラー、山口信人さんのラ・スカーラで仕立てたスーツを披露。やはりこういったオリジナリティあるスーツがお好きらしい。
ラペルエッジに入ったダブルステッチがブレザー風で、クラシックなディテールを散りばめたこのスーツはラ・スカーラのハウススタイル。ウェストを絞ったシルエットに長めの着丈で、袖丈もあえて長めのバランスにして縦のラインが強調されている。これが細身で長身の池内さんのキャラクターに似合っているのだ。
Vゾーンメイクはロンドンストライプのシャツにペイズリー柄のネクタイという組み合わせだが、ロンドンもペイズリーもイギリスの都市名ということに気づけば、これぞイギリス紳士の定番技だ。ジャーミンストリートあたりの洒落者を思わせるコーディネートを、しっかり自分のものにしている。
しかもポケットチーフにだけ他色を挿すのも洒落ている。「正統派のようでいて、どこか一箇所ハズしたい」というように、ポケットチーフを使えばアレンジは無限大だ。この域までさらりとこなせるようになるには、かなり研鑽を積んだのだろう。聞けば周りがストリートファッションに興じていた学生時代から、自分はオーダースーツを着慣れているという。最近になってやっとオフをアメカジで過ごすことを覚えた、と笑ってみせた。
text:Zeroyon Lab.
photograph:Yuko Sugimoto