特にお薦めしたいのが、東京の玄関口、東京駅に隣接する「シャングリ・ラ ホテル 東京」にある「CHIスパ」だ。連載「仕事力が上がる! ホテル活用術」第2回目では同スパの魅力に迫り、また、エグゼクティブに向けてとっておきの新メニューをご紹介したい。

コンセプトは桃源郷の“不老不死”

香港を本拠地とする「シャングリ・ラ ホテル」の魅力といえば、ラグジュアリーな雰囲気や卓越したホスピタリティもさることながら、古代中国の思想を取り入れていることだ。「シャングリ・ラ ホテル 東京」の設計が風水に基づいているのは有名な話。2009年3月2日の開業当時、開業の日にちや時刻までもが風水で細かく決められていたのは話題になった。

ホテルのメインフロア28階に位置するフロント。アジアのリゾートを彷彿とさせるオリエンタルな雰囲気の音楽が耳に心地よく流れる

29階にある「CHIスパ」にも、風水を取り入れて水や土などを意味するオブジェが適所に配置されている。中国の伝統的な哲学、東洋医学に基づいた施術が取り入れられている。それが“心身の健康と活力を司る生命力の源は氣である”という考え方。“氣”の流れを促進し、人間が持つ自然治癒力を高めるメニューが数多く用意されていて、眼の疲れ、肩こり、筋肉疲労の緩和、ストレス軽減など、目的に応じて自由自在に選べるのだ。

体の不調を直すにはどういうメニューがいいのか、東洋医学的なアプローチだと判断がつきにくいものだが、「CHIスパ」では十分な時間を割いてゲスト一人ひとりに丁寧なコンサルティングをしたうえで、最適のトリートメントを提案してくれるのだ。

「CHIスパ」はシャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツ直営。ジェームズ・ヒルトン著の小説「失われた地平線」の舞台となったシャングリ・ラ(桃源郷)の楽園にインスピレーションを得て設計された
スパのエントランスを入ってすぐのコンサルティングスペース。エキゾチックな香りが鼻孔をくすぐり、チベットから取り寄せたという数々のオブジェが非日常感を演出している

エグゼクティブに注目していただきたいトリートメントメニューは、男性ゲストからの要望を反映して新しく考案された「ビスポーク シャングリ・ラ」だ。エネルギーチャージやリラクゼーション、蓄積された疲労の緩和など、自分の体調や好みに合わせて、経験豊富なセラピストが3時間に収まるようにメニューを構成するもので、ボディマッサージやヘッドスパなどを組み込んだ究極の非日常をフルオーダーで堪能できる、というわけだ。ビジネスマンからの需要が高まっているネイルケアの希望にも対応したメニューも、近いうちにできるという。

「ビスポーク シャングリ・ラ」のメニュー例は後述するので、実際に施術を受けることをイメージしながらご一読いただきたい。

プライバシーを確保できるスイートルーム仕様!

石窟をイメージしたトリートメントルーム。サンスクリット語で“雪山の神”を意味する「KARAKAL」と名付けられた部屋では2名同時に施術を受けることが可能
トリートメントにはアメリカ発のオーガニックブランド「ZENTS」のボディオイルを使用。グルテンフリーで体に優しく、肌を瑞々しく整えてくれる

この「CHIスパ」をビジネスエグゼクティブにお薦めしたい理由は他にもある。しっかりとプライバシーへの配慮がなされていて、本人のためだけに贅沢な空間と時間を用意してくれることだ。

まず、症状を聞き出すコンサルティングを受けるときは、カーテンで仕切られた中でリラックスして話をすることができること。そして、トリートメントルームにはシャワー、スチームサウナ、バス、トイレが完備されていて、着替えから一通りをこの室内で完結させられるので、他人の目を気にする必要がないこと。途中でトイレに行きたくなったら着替えて室外へ出て用を済ませる、といった煩わしさを感じることがまったくないのだ。

「CHIスパ」のドラマティックな雰囲気も相まって、実際、足繁く通う男性は少なくないらしい。セラピストの角田来未さんによれば「出張の前後に利用される方が多い」とのこと。「海外出張からお戻りになると空港からそのままホテルにいらっしゃって、スパでトリートメントを受け、1泊されてからご自宅にお戻りになる方もいらっしゃいます。また、月に1回、新幹線で通っていらっしゃる方、仕事と仕事の合間にお越しくださる方もおられます」(角田さん)。

2017年末に併設されたネイルサロン「LUXITA」も完全なるプライベート空間。身だしなみの一環としてネイルをケアする男性も増えているそうだ

東京駅から徒歩1分というロケーションゆえ、日本橋や丸の内のビジネス街へは徒歩圏内。また、新幹線での出張にも、羽田空港や成田空港へのアクセスにも便利だ。

商談前や出張前の緊張を和らげるとともに精力的な印象を演出し、士気を高める。あるいは、出張後の疲れを癒し、さらなる飛躍に向けた新しい一歩を踏み出す。一流の技と非日常の空間を併せ持つラグジュアリーホテルのスパであれば、それを高次元で実現してくれると思うのだが、さて、いかがだろうか。

東京駅日本橋口に隣接するいたって至便なロケーション
CHIスパの「究極の非日常」を堪能できるコース
「ビスポーク シャングリ・ラ」プラン(3時間)

料金:5万30000円~(税・サービス料別)

【お客様の症状1】
出張が多く、出張帰りのときには筋肉疲労(特に肩、腰、足)がひどい。目も疲れていて、頭痛持ち。

提案内容例:頭のてっぺんから足のつま先までコース
・風呂 15分
・「シグネチャー エナジャイジング ディープティシュー トリートメント」 75分
※「CHIスパ」一番人気のメニュー。筋肉の組織に深く働きかけるテクニックを組み合わせた、東洋医学に基づくトリートメントで、血行促進、ストレス軽減、凝りや痛みの緩和、関節の可動域の拡張が期待できる。また、特定のツボを刺激し、活性化する。
・リフレクソロジー 30分
・ヘッドマッサージ 30分
・フェイシャル 30分


[セラピストからのコメント]
全身がお疲れとのことで、頭のてっぺんから足のつま先まで(末端から末端まで)のコリをとっていただける内容にしました。お風呂で全身を温めてから、人気のディープティシューとリフレに時間をかけます。また、頭痛や目の疲れもあることから、ヘッドマッサージに加えて、フェイシャルもプラス。今回は美肌効果を求めるフェイシャルではなく、顔の筋肉や目の周り(眉毛周辺の筋肉など)の顔ツボマッサージがメインの内容です。コースのトリートメントを終えた後は目が大きく開き、ラクになるというお声をいただきます。こわばった筋肉を丁寧にほぐしていく内容なので、コースの最中、特にヘッドマッサージのときにはお眠りになる方が多いですね。

【お客様の症状2】
仕事柄、清潔感溢れる印象と見た目の若さをキープしたい。顔の毛穴や髭剃り後の炎症などをケアしたい。お酒からくるむくみを改善したい。疲労は特に感じないが、40代半ばを過ぎてからは体力は落ちてきたと感じている。

提案内容例:スキンケアにフォーカス+身体の内側からの体質改善
・風呂 15分
・スクラブ&ラップ 45分(20分間のヘッドマッサージも含まれます)
・「CHIバランス」60分
※中国古来のヒーリング哲学に基づいた「氣」の流れを整えるセラピー。
「陰陽」のそれぞれを刺激または鎮静させるテクニックを巧みに使い分け 「氣」のバランスを調和させる。
・フェイシャル 60分


[セラピストからのコメント]
お顔、ボディともにスキンケアにフォーカスしたメニューにしました。スクラブやラップでボディの角質取りや保湿に加え、アンチエイジング効果の高いフェイシャル(クレイマスクなども含む)で毛穴ケアや炎症を抑え、お肌のターンオーバーを促します。体力低下を感じられているとのことで、身体の内側からの体質改善を目指していただきたく、CHIバランスをセレクトしました。フェイシャルやCHIバランスはむくみに効果があるのでおすすめです。また、スパをフルに堪能したいお客様にはお風呂やスチームバスをできるだけ取り入れたメニューにしています。
シャングリ・ラ ホテル 東京「CHIスパ」

問い合わせ情報

シャングリ・ラ ホテル 東京「CHIスパ」
住所:東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館 29F
TEL:03-6739-7880
営業時間:9時30分~21時30分

text:mio amari