第67回ベルリン国際映画祭カリナリー部門で上映され、世界のセレブリティや著名人を唸らせた美食ドキュメンタリー『世界が愛した料理人』が日本で公開される。
作品は、天才料理人エネコ・アチャが料理の本質や精神、魂とは何かを求める姿を追ったドキュメンタリー。その美食探求する舞台となるのは、なんと日本。「すきやばし次郎」をはじめとする日本の名店を巡る。
真の料理を極めるため、日々料理を追求し続けているエネコ。その彼が最高の料理に必要なもの、料理に込めるべき魂は何かを求め、たどり着いたのは日本の“和食”だった。世界最年長の三ツ星料理人「すきやばし次郎」の店主、小野二郎氏の創作にかける想い、そして日本の名店の数々からエネコが見出した究極の料理とは……。
出演者は、昨年に東京・六本木に「エネコ東京」をオープンさせたエネコ・アチャ・アスルメンディをはじめ、「ラサルテ」のマルティン・ベラサテギ、「サンパウ」のカルメ・ルスカイェーダ、「ジョエル・ロブション」のジョエル・ロブション、「すきやばし次郎」小野二郎・小野禎一、「龍吟」山本征治、「壬生」石田廣義・石田登美子、服部幸應、マッキー牧元、「ミシュランガイド」のマイケル・エリスなど。
有名シェフと名店の数々が登場するこの映画の原題は「SOUL」。超一流シェフが魂を込め、腕を振るう素晴らしい料理の数々は、画面で見るだけで思わず頬がゆるんでしまう。美味しいものを知り尽くしたエグゼクティブは必見の作品ではないだろうか。
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8月6日、フランス料理の巨匠、ジョエル・ロブション氏が73歳で亡くなった。同作にはロブション氏も出演しており、長年連れ添った料理への思いを語っている。「私は食材に愛情と敬意を持っています。料理にもそれが表れているはず」。15歳で料理の道に入り、「世紀最高の料理人」と賞賛されたシェフは、最後まで真摯に食の歓びを私たちに発信し続けてくれた。
text:A.Uehara