17~18世紀のイギリスの上流階級の子弟は、家庭教師同伴で知らない地の政治、文化、芸術などを学ぶための旅行「グランドツアー」を行なっていた。その呼び名がこのツアーの由来だ。家庭教師と同じようなスタッフがこの「グランドツアー」の場にも控えている。毎回それぞれの地の最も良い時間を味わう手助けをしてくれる頼もしい存在だ。
現代の「グランドツアー」は、子どもたちだけでなく大人も参加できるようになっており、行程は、全て親子連れで楽しめるものとなっている。1泊大人1名約4万円からで、すべてのツアーには、ディナーはもちろんのこと、温泉訪問(停泊地による)、ウェルカムドリンク、停泊地のハウスワイン、焚火を見ながらのお茶・お菓子、ナイトキャップ、スケッチ用のノートと鉛筆も含まれる。
テントで焚火を囲み「エアストリーム」に宿泊できることが「グランドツアー」の特徴。食事は、毎回それぞれの場所の旬の食材を、最も適した方法で堪能できる。ディナーとその後の焚き火の時間や早朝の清々しい空気の中で食べる朝ごはんも、記憶に残る体験になりそうだ。
日本のそれぞれの場所で最もいい季節を毎月のように旅して回るツアーなので、これからのスケジュールも決まっている。11月後半から12月は鳥取でカニ三昧、1月は伊勢で初日の出を見て伊勢神宮の通常入れない奥での参拝、2月は奥飛騨で雪遊び+温泉、3月は奄美大島のマングローブでカヌー体験、4月は吉野で夜桜と熊野古道散策、5月はクロアチア・ドゥブロクニクまで島をめぐる船旅など、来年8月まで、冒険のようにワクワクするスケジュールが用意されている。
ツアーを申し込むとあらかじめ、訪問地の自然や歴史、その旅の概要などが「教材」として届く。その予習復習をすることで、旅への想像を膨らますことができるのだ。子どもにキャンプを体験させたいが、準備をする時間がないビジネスマンにも、予約をした時点から家族との共有する話題が増えるのでお勧めだ。
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予約をした時点で、「入学歓迎証」と宿泊地の情報やギア情報満載のテキストが届くシステム。予習をして旅に臨もう。何カ月も前からその土地を想いながら学習をすることで、到着時の感動もより大きくなり、五感で自然を感じられる貴重な体験ができるはず。
text:Rina Araki