2014年にローンチした「TAVARAT(タバラット)」はフィンランド語で、日本語の「雑貨」を意味するブランド&セレクトショップ。寒い環境の中でも明るく楽しむことを忘れない、そんな喜びを感じる想いがアイテムに込められている。今回、顧客からの声を反映し製作されたのが、キャッシュレス時代に合った、小銭入れのないすっきりとした薄い長財布だ。
革は、きめが細かく、その滑らかな手触りからキングオブレザーと呼ばれるコードバンを使用。馬のお尻の決まった部位からしか採れないコードバンは、近年入手が非常に困難になってきており、製造できるタンナーも限られることから、その希少価値は年々高まってきている。さらに染料を手作業で何層にも重ねて染色を行う国産の水染めコードバンであるため、一般的な顔料染めのコードバンでは味わうことができない経年変化や革本来の質感を楽しむことができる。裏地にはオイルプルアップ仕上げのキップレザーを使用。表地のコードバンの黒とキャメルとのコントラストが上品な逸品だ。
使い勝手の良さと美しさの両方を兼ね備えたデザイン。札入れ部分やカードポケットはシンメトリーに配置され、見た目もスッキリしているうえに取り出しやすい。お札を分別して収納できるように4つのポケットをつくり、カードもそれぞれが重ならないよう左右2枚ずつ独立したポケットになっている。薄さを追求しているので、胸ポケットにいれても膨らんでスーツがもたつくことはない。小銭が入らない分、軽くて持ち運びしやすいので、スマートな財布を求めている方にはぜひお薦めしたい。
editor's comment
キャッシュレスの時代が押し寄せてきている現代、小銭をじゃらつかせるのはもう古い。スマホと財布をうまく使いこなしてこそ、才覚のあるビジネスマンと言えるのではないだろうか。たかが財布とは言え、毎日、人前で使うヘビーユースのアイテム。時代の変化を敏感にキャッチして、さりげなくバージョンアップさせたいものだ。
text:Rina Araki