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近頃、「非日常」という言葉をよく耳にする。しかし、非日常を謳うものの多くが日常の落ち着きから離れた刺激的なものであり、くつろぎながら英気を養うには不向きだ。今回紹介するリゾートでは古民家の落ち着いた雰囲気の中で非日常を味わうことができるとあって、休み明けから仕事がはかどりそうだ。
(STYLE編集部)
1998年に冬季オリンピックが開かれた長野県白馬村。北アルプスを望み、日本国内でも有数の良質な雪質をもつ白馬村周辺は、冬はウィンタースポーツ、春以降は登山やハイキングをする人々に古くから愛されてきた。この地にはもともと“宿”という概念がなく、大正時代から昭和初期に長野県白馬村の登山ガイドが登山客を自宅に泊めていた。それが日本の民宿の始まりといわれている。そんな日本の民宿発祥の地に、大自然に囲まれた古民家を和モダンにリノベーションした高級古民家リゾート「旅籠丸八」がオープン。白馬岩岳が“街ごと”リゾートに生まれ変わった。
【旅籠丸八】
リノベーションのテーマは“高級感のある和とモダン”。宿泊棟の「旅籠丸八 壱番館」と「旅籠丸八 弐番館」は、以前の部屋数を半分以下に絞って広さを確保。洗練された空間の中に、古民家から受け継いだほっとする温かさを併せもつ。どこか懐かしさを覚える造りの客室に身をおけば、疲れた体を休められる、ゆったりとした極上の癒しの時間が過ごせる。
古民家の特徴である“大梁や柱”を最大限に生かすべく、天井を抜き屋根の骨組みを見せるリノベーションを採用。そのうえで、現代的な材料や技法を用い、最新設備と融合させることで、“古いけれど新しい、快適な非日常の空間”が出来上がった。生まれ変わった江戸時代の古民家で、日常にはない贅沢なリラックスタイムを過ごしてほしい。
【庄屋丸八】
「旅籠丸八」内のクラブハウス「庄屋丸八」は、江戸時代に庄屋の屋敷として建てられた歴史的古民家をリノベーションしたもの。チェックイン、チェックアウト、周辺アクティビティの相談や各スキー場への送迎も依頼でき、コンシェルジュ的役割も果たしている。
せせらぎの里と言われる白馬村新田。その一角にある江戸時代の古民家をリノベーションした「庄屋丸八ダイニング」では、さまざまなスタイルで自慢の創作料理が楽しめる。開放的な店内には、六文銭の家紋で有名な長野上田の戦国武将 真田幸村の鎧(レプリカ)と、武田信玄が戦の際に指揮、命令の手段として使用した和太鼓に端を発する諏訪太鼓が飾られ、まるで戦国時代にタイムスリップしたかのよう。
「庄屋丸八ダイニング」では、城下町松本と糸魚川を結ぶ約120kmの歴史ある旧街道“塩の道”を渡って届く魚介類や、長野産の旬野菜、肉料理などが楽しめる。なかでも炉端焼きは、食材がじわじわと焼けていく香りや、色づいていくさまが食欲を掻き立ててくれ、格別だ。宿泊客だけでなく一般客にも開放されているが、「旅籠丸八」の宿泊客だけが味わえる特別料理も用意されている。
スキーやスノーボードといった定番のウィンタースポーツが楽しめるだけではない。「旅籠丸八」と同時にオープンしたウインターアドベンチャーパーク「白馬つがいけSNOW WOW!」では、全10種類の雪上アクティビティが体験できる。子供はもちろん大人が真剣に“冬遊び”を楽しめるとあって注目度は高い。大自然を満喫しながら、古民家に暮らすように滞在し、心身ともに癒される……そんな明日への活力を生む時間が、ここでは約束されている。
問い合わせ情報
旅籠丸八
【宿泊料金】
Standard Room(約33平米~40平米):定員2名、一室3万円~(税サ別、冬期料金)
Junior Suite Room(約45平米~55平米):定員4名、2名から利用可能、一室4万円~(税サ別、冬期料金)
Suite Room(約140平米):定員6名、2名利用一室11万円~(税サ別、冬期料金)
text:Naoko Tojo