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今回取り上げる「TOKYO CRAFT ROOM」に飾られるクラフト作品は現代的にリデザインされていて、伝統工芸品にありがちな古臭さをを感じさせない。そうしたプロダクトの価値を宿泊を通じて実際に使いながら知ることができるという試みはユニークだ。疲れたときはここで休みながら、感性を刺激してくれるプロダクトとの出会いを期待するもいいだろう。
(STYLE編集部)
「手しごと」をコンセプトの一つとして掲げている「HAMACHO HOTEL」の2階にあるのがTOKYO CRAFT ROOM。名前に「クラフト」と冠しているが作業場ではなくプロダクトの展示と宿泊を兼ねるスペースだ。気に入ったアイテムがあれば、その場で購入できるものもある。
記念すべきオープンを飾ったデザイナーの作品が「Ranma」だ。オランダのデザインスタジオ「ディー・イントゥイティファブリック」と針葉樹のプロダクトを中心にものづくりをしている日本の「SOMA」が互いから受けた刺激とインスピレーションを形にした。
また、スウェーデンで最も優れたガラス・陶器デザイナーのひとりであるインゲヤード・ローマン氏と有田焼の名窯として名高い香蘭社が協業して作った「mono’S」はこの部屋だけではなく、「HAMACHO HOTEL」の全客室に置かれている。
TOKYO CRAFT ROOMのWEBサイトでは、デザイナーが実際に日本のものづくりの現場や針葉樹林を訪れて、どのようにアイディアのインスピレーションを受けたのか、そのストーリーが掲載されている。
単に贅沢な空間に泊まるだけでなく、設置されているアイテムがそれぞれに持つストーリーや面白さを楽しむことができる。ものづくりのプロジェクト周期は約5カ月ごとに回っていく予定で、アイテムの追加や入れ替えを繰り返しながら、部屋はそのインテリアを変えていく趣向となっている。一年後、どんな表情で迎えてくれるのかを確かめに行きたいものだ。
「TOKYO CRAFT ROOM」概要
面積:78平米
料金:5万円(税込)
人数:2人まで
客室数:1室
予約方法:「HAMACHO HOTEL」への電話、またはホームページの「お問い合わせ」からの申込み。
text:PRESIDENT STYLE
photograph:momoko japan