服装で会社や恩人に愛を示す

今日、身に着けているワイシャツはファミリーマートの「ストレッチドレスシャツ」です。今秋の限定販売に先立って着てきました。靴下と下着もうちの製品です。自社製品をとことん愛しています。その気持ちなくしてトップに就くことは社員に対して失礼極まりないと思います。スーツのブランドは「スキャバル」です。スキャバルは私の古巣、伊藤忠商事の岡藤正広会長が事業強化に乗り出したブランド。以前お世話になった方が力を入れているブランドを、敬意を持って愛用しています。

私の立場や年齢なら自分の好みより周りがどう思うかを想定して服装を選ぶのは当然です。ファミリーマートに来てから、その考えが強まりました。

これまでも相手を意識しなかったわけではありませんが、自分の好みが6割でした。今は相手への配慮が6割と完全に逆転しました。自分で設立した投資ファンド会社を経営していた頃なら、自分の個性を際立たせる、好きな服を着て構わない。しかし、今は大きな組織を預かり、多くの加盟店や取引先、大勢の社員に責任を持つ立場です。これはとても尊いこと。服装も相手に失礼があってはいけません。

高品質で知られる「スキャバル」のスーツに身を包む。ワイシャツはファミリーマートの製品。澤田社長ならではの着こなしだ

仕事も服装も試行錯誤

当然、服装は年齢やポジションで変わるものです。ブランドや値段ではなく、その人にフィットした服装であればいいと思います。今は加盟店のみなさんと対話をするときが私にとって勝負服を着る機会です。みなさんに、澤田と一緒に盛り上げよう、と思ってもらえるか。その情熱を伝えるためにも、ビシッとした服装で、その場に挑んでいます。

自分に合った服装を選べるようになるまでは、仕事と一緒で試行錯誤が必要です。私も雑誌や先輩の服装を参考にしてきました。自宅のクローゼットにはスーツが並び、毎日、どれがいいか選択しています。たまに出がけに妻から「それはちょっと似合わないんじゃない」と言われることもありますが(笑)。

先日、夏らしい薄いグレーのスーツを買いました。人間ですから、かっこうよくありたい、若々しく見られたい思いはあります。ファミリーマートの社長って素敵ですねと言われれば、私もうれしいですし、社員も悪い気はしないのではないでしょうか。ある程度の役職にいる人には、会社の顔だという意識を持ってスーツを選んでほしいですね。

澤田貴司/Takashi Sawada
1957年生まれ。上智大学理工学部卒業後、81年伊藤忠商事入社。97年ファーストリテイリング入社、98年副社長。2003年投資ファンド「キアコン」設立。05年企業支援会社「リヴァンプ」設立。16年9月より現職。

text:Top Communication
photograph:Hiroshi Noguchi
hair & make:Tetsuya Sawada
from:PRESIDENT 2018.7.30