勝負の色は赤
入社式のような節目のイベントでは必ず赤のネクタイを締めます。損保時代、部長職に就いたころからです。赤は相手に気合が伝わる色です。通常の4月の入社式のほか、キャリア採用で毎月入ってくる100人前後の社員に対しても1日付の入社式をしているので、赤いネクタイはけっこう出番が多い。
もちろん毎月入社式を開催するのは大変です。しかしキャリア採用者にも同期の社員をつくってあげたいし、新卒者と同じように入社後のフォローアップ研修や6カ月後研修などをしっかりやりたいのです。
そういう晴れ舞台以外では、自分の好きなピンク系の色のネクタイを締めることが多いですね。スーツは、いろんなメーカーを変遷しました。あるとき、娘が「こんなブランドを着てみたら?」と自分では選ばないようなブランドを勧めてくれたのです。試しに着てみたところ、しっとりと体に馴染んで気に入りました。
中学、高校と柔道部に所属していたこともあって、既製服は体形に合うものが少なくて選びにくい。やはり体に合うサイズ感のオーダーメードがしっくりきますね。
介護の世界に携わり3年がたちます。その間にSOMPOケアが全国で運営する400を超える施設のうち半分以上は訪問しました。現場を見て知ることは損保時代から大事にしてきました。
現場に行くときは、あえてネクタイをはずし、上着を脱いだラフな格好で訪れます。最初はスーツで行って社員に注意されてしまいました。ダークスーツを着てネクタイを締めた人が来ると、ご利用者が緊張するというのです。ご利用者にとっては、わが家ですからね。
聞きっぱなしは害悪
正しい戦略を立てるには、社員と目線を合わせないといけません。そして必ず行動で応えること。私が施設を回り始めたころは社員の間に、会社に何か要望してもなかなか実現しないという諦めムードが漂っていました。聞くだけで何も行動しなければ、次第に社員は意見を言わなくなります。
意見したことが実現するとなると、打って変わって私の訪問を待ち構え、率直な意見をぶつけてくれるようになりました。今では、もっと介護の質を上げたいという建設的な意見が増えてきたのが頼もしいですね。
愛用の逸品~吉田拓郎のサイン入りウクレレ
遠藤 健/Endo Ken
SOMPOケア代表取締役社長
1954年、東京都生まれ。76年早稲田大学政治経済学部卒業後、安田火災海上保険(現損害保険ジャパン日本興亜)入社。自動車営業企画部長、専務執行役員、損保ジャパン日本興亜保険サービス社長などを経て、2015年12月より現職。
text:Top Communication
photograph:Hiroshi Noguchi
hair&make:Tetsuya Sawada