既存製品の模倣ではなく、いまだかつてない、世界に衝撃を与えるようなプロダクトを目指す。それがカシオの時計づくりの根幹だ。やると決めたら徹底的に、が信条である。耐衝撃性を追求して世界で最もタフな腕時計を実現したのがG-SHOCKであれば、世界を相手にする国際派のための最高のツールを目指すのがオシアナスだと言っていい。

2018年、カシオが発表したオシアナスの新作「OCW-S4000C」には、世界に誇るべき二つの技がある。一つは最先端のデジタル技術による時刻の自動修正システムである。オシアナスは2017年に、標準電波とGPS衛星電波の受信機能、さらにBluetooth®対応スマートフォンを介した時刻修正機能のすべてを組み込んだ“3way モジュール”を発表。現時点では世界最高性能の時刻修正システムである。

2018年の新作は、美観と着用感の観点からGPS衛星受信機能をあえて省き、標準電波とBluetooth®による時刻修正システムとした。最新のタイムゾーンやサマータイムの情報にも対応しており、余程のことがない限り、時刻修正に支障はない。GPS衛星電波受信機能を省いた分、ケース厚を11.4mmに抑えることで着用感と見た目のスマートさを高めた。

「OCW-S4000C」。ベゼルの裏面に江戸切子の技法を駆使して繊細な溝を削り込み、ブラックとブルーの2色を施すことで東京の夜明けを表現した。●ケース、ブレスレットはチタン。ケース径43.3mm。ソーラー式クオーツ。20万円。世界限定1500本

そしてもう一つが、最先端とは対極に位置する伝統の技。シャイニーなベゼルの裏面に設けられた溝は江戸切子の伝統工芸士、堀口徹氏とコラボしたもので、すべて手作業で削られている。通常の江戸切子とは違いベゼルは硬質なサファイアガラス製のため、一筋削るのも慎重を期すという。熟練職人の成せる技である。

最先端技術による時刻修正システムと、伝統技芸が生み出したさりげなくも確かに感じる工芸の美。日本人の誇りと感性を胸に世界へ挑む男にこそ薦めたい時計である。

ベゼルの溝は江戸切子の伝統工芸士、堀口徹氏の手によるもの。硬質なサファイアガラスは削りにくく、かといって削りすぎも不良。すべてを均一に仕上げるには職人の腕と勘が頼り。
OCEANUS

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