"元祖"の名に恥じない、高機能かつ高品質なダイバーズウォッチ

時計に少々詳しい方なら、ブランパンをご存じだろう。1735年創業、現存する時計ブランドの中で最も古いとされるスイスの老舗だ。このブランパンのブランド・ヒストリーの中で必ず触れられるのが、「現代的なダイバーズウォッチの元祖」という逸話である。

ブランパンは、フランス海軍の要請に応じて、1953年に「フィフティ ファゾムス」という初のダイバーズウォッチを開発した。50ファゾムス（＝約91.5m）と高い防水性を確保したケースに、潜水中の経過時間を確認する回転ベゼルを装備し、ブラック文字盤に夜光塗料を付した針とインデックスを組み合わせたハイコントラストのデザインは、ダイバーズウォッチの原型となった。このプロフェッショナル向けの潜水時計は、各国の海軍に採用され、フランスの海洋探検家ジャック・イヴ・クストーがドキュメンタリー映画『沈黙の世界』で着用したことでも有名になった。

フィフティ ファゾムスは1950年代から60年代かけて改良を重ねながら、さまざまなバリエーションモデルを展開した。その系譜を受け継ぐ「フィフティ　ファゾムス　オートマティック」は、高機能かつ高品質なダイバーズウォッチへと進化を遂げている。

スタンダードな3針タイプで、ケースの防水機能は300mに向上し、耐磁インナーケースを装備してムーブメントを磁気から保護。ダイバーズウォッチの外装パーツで最もキズのつきやすい逆回転防止ベゼルは、蓄光力の強いスーパールミノバでダイビングスケールを描いた上に、サファイアクリスタルをかぶせて保護するという具合だ。

機械式ムーブメントがこれまた優秀だ。衝撃に強く高精度を維持する設計で、なおかつ通常の3倍ものゼンマイを搭載し、完全に巻き上げられた状態で約120時間（5日間）も連続駆動するという、ダイバーズウォッチ搭載用としては稀有な自動巻きムーブメントである。ダイバーズウォッチに欠かせない条件の、安心して使える信頼性という点でも抜群なモデルなのである。