「L.U.C フライング T ツイン」
――ショパール
「洗練」に妥協なし
ショパールのトゥールビヨンは複雑時計競争真っ盛りの2003年に初めて製作され、9日間パワーリザーブの「クワトロ」に搭載された。10年には創業150周年記念モデルとして開発された永久カレンダーなど14機能を備えた超複雑時計「オール イン ワン」に、また翌11年にはCOSC、ジュネーブシール、さらにカリテ フルリエという超難度の認証を三つ取得した高性能機「トリプルサーティフィケート トゥールビヨン」に搭載されるなど、ショパール独自の技術とのコンビネーションでユニークさが際立つトゥールビヨンをつくってきた。
薄型ケースにこだわるショパール・エレガンス
今年の新作、「L.U.C フライング T ツイン」はこれまでの通常型トゥールビヨンと違って、アッパーブリッジがないフライングトゥールビヨンである。ショパール初。下方のブリッジのみで支えられ、キャリッジが宙に浮いているかのような軽快な印象が特徴だ。視覚的にいささか野暮で重苦しいブリッジから解放され、軽やかに自由に動くさまが堪能できる。こだわったのがケース厚。7.2ミリと複雑時計らしからぬ薄型だ。ダイヤルの印象的なハニカム模様のギヨシェ彫りなどと相まって、ショパール・エレガンスを実現している。
「L.U.C Flying T Twin」
ショパール初のフライングトゥールビヨンモデル。アッパーブリッジのないトゥールビヨンの抜け感が複雑機構と思えない軽やかさ。ダイヤルのギヨシェ彫り、スネイル仕上げのチャプターリング、グレーとRGの絶妙のカラーリングが相まって格調と洗練を実現。マイクロローター巻き上げの自動巻き。ツインバレルを搭載し約65時間のパワーリザーブを確保する。COSC認証、ジュネーブシール取得。
text:d・e・w
photograph:Kazuteru Takahashi