品質と価格を見比べればバリューの高さは一目瞭然
腕時計の威力を甘く見てはならない。男にとって数少ない装飾品であるからこそ、そのセレクトが装いの印象を左右する。仕事着のカジュアル化が進む昨今ではあるが、ビジネスで信頼を得るためにはつねに品格を忘れてはならないと心得るべきだろう。であれば、カジュアルダウンした装いには気品ある腕時計で品格を添える、というマイルールを持つのもいい。例えばフレデリック・コンスタントの「スリムライン パワーリザーブ マニュファクチュール」のような時計で。
フレデリック・コンスタントは1988年創業の若いブランドだが、90年代にダイヤル側からテンプが見える「ハートビート」がヒットし、21世紀に入ると今度はムーブメントの内製化に着手。これは同社が創業時から掲げる「手の届くラグジュアリー」を推し進めるためだった。内部機構まで自社で製造できれば、外的要因の影響を受けずに安定生産が可能となるからだ。その成果が、一部の部品を除き自社開発・製造のムーブメントを載せた「マニュファクチュール」コレクションだった。
以後、着実にキャリバーの数を増やし、今年28種目のムーブメントを載せたのが写真のモデル。クラシシズムと現代性の調和が生む気品と風格。価格と品格のバランスでは無類のレベルに達している。
edit & text:d・e・w
photograph:Shoichi Kondo