この時計は、こんな男を物語る

・派手さよりも実直さ、堅実さを旨とする
・手仕事やクラフツマンシップに惹かれる
・ストーリーのある製品を身に着けたい

ランゲらしい端正さをモダナイズ

1845年、有能な時計師だったフェルディナント・アドルフ・ランゲ(F.A.ランゲ)がドレスデン近郊の鉱山の村、グラスヒュッテに懐中時計製作工房をつくる。現A.ランゲ&ゾーネの歴史を遡ればここに行き着く。東西冷戦時代に会社は東ドイツ政府に接収されるなどあったが、両ドイツ統一からほどなく創業者の曾孫ウォルター・ランゲはランゲ社を再興。歴史の波に揉まれ一度はブランドの歴史が途絶えながらも、時計製造の熱情が消えることはなかった。創業から175年が経つ。今年はその記念の年だ。

A.ランゲ&ゾーネは“F.A.ランゲへのオマージュ”として記念の3モデルを製作した。F.A.ランゲの生年「1815」を冠したファミリーから、シンプルなエナメルダイヤルの2針モデル「1815 フラッハ・ハニーゴールド」、シルバー無垢製のブラックダイヤルのスプリットセコンド・クロノグラフ時計「1815 ラトラパント・ハニーゴールド」、そしてトゥールビヨン、永久カレンダー、スプリットセコンド・クロノグラフ搭載の超複雑時計「トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド」。共通項はランゲにだけ使用権が認められているハニーゴールドをケースに使っていること。優しい色合いだが、硬度が高く耐傷性に優れる。

ここで紹介しているのはラトラパントのモデル。クロノグラフ針とスプリットセコンド針の2本でラップタイムが計れるクロノグラフが備わる。ハニーゴールドの温かみのある風合いとシルバー無垢製のブラックダイヤルとの組み合わせはランゲ初。モダンで大人の魅力がある。

何より圧倒されるのはムーブメントの極上の美しさである。特別仕様のモデルだけに、通常の面取り、研磨、丁寧な仕上げ装飾に加え、洋銀製の地板の表面や受け部品のエングレービングに特別な仕上げを見ることができる。通常見えない部分に丹念に施された手仕上げの美しさにランゲの真価を見る。

ケース裏には美しい仕上げが施されたキャリバーL101.2が覗く。受けに刻まれた曲線の模様はすべて手作業によるもの。通常モデルは見られないブラックロジウム加工が施された。
「1815 ラトラパント・ハニーゴールド“F.A.ランゲへのオマージュ”」。18Kハニーゴールドケース。ケース径41.2mm。手巻き。3気圧防水。レザー・ストラップ。1475万円(税別予価)。世界限定100本。ブティック限定販売。11月以降発売予定
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A.ランゲ&ゾーネ
TEL:03‐4461‐8080


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