エグゼクティブの装いの要諦は控えめであることだが、かといって今この時代に無個性であっては感性が疑われかねない。程よい主張は自分らしさの演出でもある。そこで有用なのが小物の類。特に腕時計はさりげなく個性を示すのに格好のツールとなる。こんな軽やかさを併せ持つ腕時計なら、装いの印象が今風にあか抜ける。
程よいアクティブ感が現代的なセンスの証左となる
腕時計は男にとってほとんど唯一の装飾品であり、それゆえに自身の印象を左右する重要なアイテムとなる。いつものスーツスタイルであってもそこに合わせる腕時計次第で、上品にもモダンにも、あるいはスポーティーな方向にも印象をアレンジできる。たった40mm程度のツールでありながらその存在感は思いのほか大きい。
さて、ここに取り上げたのはハンティング・ワールドの新作である。もともと探検家だったブランド創設者のスピリットに心引かれ、冒険から想を得た機能的なプロダクトに憧れた男も多いことだろう。そうしたブランドのDNAを注ぎ込んだのがこの2モデル。一方はシンプルな3針モデルでありながらケースやダイヤルの意匠でアクティブさを創出し、もう一方はこのブランドらしい冒険心を海の世界で表現したダイバーズテイストとなっている。
この数年、男のスタイルはスポーティーな方向へとシフトしてきた。オフのカジュアルはもちろん、オンの装いでも快適さ、軽快さが注目されて久しい。これらの時計はそんな今風のアクティブ感を演出するのに格好のツール。足取りも軽くなるようなアクティブネスを手元で気軽に楽しみたい。
for On Time――スーツスタイルを軽やかな腕時計でアップデート
for Off Time――人気のダイバーズテイストでトレンド感を添える
text:d・e・w
photograph:Shoichi Kondo
styling:Hiroshi Morioka