仕事への士気を高める天下取りのヒストリーも

街が華やぐこの季節、そのにぎやかさとは裏腹にギフト選びに頭を悩ませる男性も多いだろう。よほどの確信があればサプライズ的なギフトを贈るのも良いが、そうでなければやはり王道に帰すのがギフトを成功させるセオリーである。女性へのギフトの永世トップ、とは言い過ぎかもしれないが、どの時代も女性たちを魅了してやまないのがダイヤモンドである。

「ダイヤモンド」「ペアウォッチ」というキーワードで選ぶとすれば、まず名前が挙がるのがハリー・ウィンストンである。ハリー・ウィンストンのダイヤモンドは世界最高峰のクオリティーとの呼び声が高い。その理由を端的に述べるならば、良質な原石を入手できる環境、原石の美しさを生かすカッティングの技術、そしてカットされたダイヤモンドをより魅力的に見せるセッティングの技術の全てがそろっているためだ。もう余計なサプライズなんて考えなくて良い。ハリー・ウィンストンのダイヤモンド自体がこれ以上ないほどのサプライズなのだ。

そのハリー・ウィンストンは1989年から高級時計の世界にも本格参入。時計製造の拠点をスイスに置き、ハイエンドな腕時計を作るウォッチメーカーとしての顔も持つ。今回、ペアウォッチとして選んだのは、2016年に登場した「HW エメラルド」コレクションから。縦に長い8角形のケースフォルムを特徴とし、ケースの横幅が17.7mmと33.3mmの2サイズで展開する。女性の手元に調和しそうな17.7mmのモデルはダイヤルやストラップのバリエーションが豊富にそろうが、今回はその中からブルーダイヤルを備えた2モデルをセレクトした。

まず女性向けに選んだのは、18Kホワイトゴールド製のケースとブレスレットにブルーダイヤルが鮮やかに映えるモデル。ベゼルとラグにラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドをセットし、控えめで品の良い華やかさが漂う。あくまでアンダーステートメントな艶やかさが大人の女性の良識を物語る。

時計
サンレイ仕上げのブルーダイヤルには3つのラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドとブランドロゴをセット。艷やかなミラネーゼ・ブレスレットと呼応するように上品なアクセントを添える。「HW エメラルド」。ケース、ブレスレットは18Kホワイトゴールド。ケースサイズ24×17.7mm。クオーツ。3気圧防水。333万3000円~(税込。ブレスレットの長さにより異なる)

そして男性向けには、ケース幅33.3mmのモデルから、18Kホワイトゴールド製のケースにブルーのアリゲーターストラップを合わせた1本をセレクトした。秒針や分目盛りを省いてミニマルなデザインに徹し、ディテールの美しさを追求して仕上げられたドレスウォッチである。ブルーを基調としたデザインの中で、ベゼルやラグのラウンド・ブリリアントカット・ダイヤモンドが程よい色香を添える。これからのシーズン、こんな時計を1つ持っていれば何かと重宝するだろう。

時計
ダイヤルは同じサンレイ仕上げながら、外周にファセットを設け、バータイプのインデックスを合わせたデザインに品格が宿る。ケース厚は6.7mmという薄型で、これみよがしに主張することがない。「HW エメラルド 33mm」。18Kホワイトゴールドケース。ケースサイズ39.3×33.3mm。クオーツ。3気圧防水。アリゲーターストラップ。333万3000円(税込)

さて、ハリー・ウィンストンというブランドはジュエリーの印象が強いせいか、女性向けのブランドだと思われている感がある。だがその一方で、ブランドの創業から飛躍へのヒストリーは、ビジネスに熱い男たちの心にぐっと刺さるものがある。

ハリー・ウィンストンの創始者はブランドと同名の実業家。彼は弱冠24歳の時にたった1人で起業すると、その12年後の1932年にハリー・ウィンストン社を創業してジュエリーブランドをスタートする。彼はレアな原石が発見されたと聞けばすぐに駆けつけ、上流階級が集う社交界にも足繁く通い、さらにはデザインチームと共に独創的なモチーフを創り上げるなど、1978年に他界するまでダイヤモンドに熱情を捧げ続けた。たった1人で始めた“スタートアップ”は時代時代の富裕層の信頼を得ながら名声を高め、わずか1代で世界的なハイジュエラーへと駆け上がったのである。

今回取り上げたHW エメラルド・コレクションの縦に長い8角形のケースフォルムは、その創始者ハリー・ウィンストンが愛したダイヤモンドの形、エメラルドカットをモチーフにしている。世界を駆け上がった男が熱情を注いだダイヤモンドであり、世界を取った男が愛したフォルムである。女性だけのものにしておくのがもったいないほど、男が語りたくなるストーリーがある。

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ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション
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photograph:Kazuteru Takahashi
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