大胆だが野暮ではない、トップブランドの高感度
ビジネススタイルにおける色選びは、この数年でだいぶ自由度が高まった。TPOをわきまえれば、あるいは自己責任の下においては、一昔前よりも柔軟に色が楽しめる風潮になりつつある。そして、ビジネススタイルで最も気軽に色を取り入れやすいアイテムの1つが腕時計。目につきやすいスーツや靴はハードルが高いが、手元にちらっとのぞく腕時計なら気後れすることもそうない。
例えば、重要な用件がなく好みの服装で出勤できるウィークデーや、仕事から離れてオフを存分に満喫したいウィークエンド。色を自由に楽しめるシーンで着用したいのが、今回取り上げるハリー・ウィンストンの「ザリウム・バリエーション」である。
これら3モデルの最大の特徴は、見ての通りビビッドな色合わせだ。それぞれ、鮮やかなターコイズとオレンジ、コントラストが目を引くネオングリーンとマットブラック、爽やかなホワイトとネイビーブルーというツートンカラーを採用し、針やアワーマーカー、目盛りやカウンターなどのディテールに2カラーを丁寧にあしらった。アリゲーターとラバーを組み合わせたストラップも、素材ごとに色を変えてダイナミックな印象を創出。“大胆さ”はハリー・ウィンストンが得意とする創作のマインドだが、その面目躍如である。
また、モデル名に冠された「ザリウム」とは、ハリー・ウィンストンだけが時計製造に使用できる特殊合金のことで、軽量でさびにくく、金属アレルギーが生じにくいという特性を持つ。今回のモデルでは、そのザリウムをケースに使用。軽さ、性質共に、夏場にうれしい素材を用いたモデルとなっている。
そして、そのケースの内部に搭載するのは、時分針をオフセンターに置き、2つのレトログラード機構で秒と曜日を表示する独創的な自動巻きムーブメント。18Kホワイトゴールド製のローターは巻き上げ効率に優れ、シリコン製ひげぜんまいにより約65時間のパワーリザーブを有する。シースルー仕様のケースバックからその動きが眺められるのも魅力の1つである。
ザリウム・バリエーションの3モデルは、それぞれ世界で50本の限定生産となる。グローバルブランドのハリー・ウィンストンからすれば少量生産で希少なモデルとなるが、夏場の快適性とビビッドな色合わせを存分に楽しめるという点ではこれ以上のモデルはおそらくない。センスよく着けこなせれば、豊かな感性、懐の深さの証左にもなりそうだ。
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ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション
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photograph:HARRY WINSTON
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