時計好き、飛行機好きが作る時計だからこそ

ベル&ロスは1994年にフランス・パリで創業したウォッチメゾンである。老舗が並み居る時計業界では比較的歴史の浅いメゾンであるが、その個性は老舗に劣ることなく際立っている。航空機に由来しながらそこにパリならではのエスプリを吹き込み、現代的に洗練させた実用時計を作る。これがベル&ロスのウォッチメーキングだ。デザイン感度の高さが時計好きのみならずファッション好きの目にも留まり、創業から30年でグローバルなウォッチメゾンへと発展してきた。

そのベル&ロスは2021年から、フランス航空宇宙軍のアクロバット飛行チーム「パトルイユ・ド・フランス」の公式時計製造パートナーを担っている。フランス、航空世界、そしてプロフェッショナルと、互いに通じ合う部分が多いのだろう。その強いつながりを示したのが、今夏フランス航空宇宙軍が実施した「ペガーズ2024」での一幕である。

このペガーズとは、フランス本土から約10機の航空機をインド太平洋地域に派遣して、それらの地域との航空外交を視野に入れたミッションである。アクロバット飛行チームのパトルイユ・ド・フランスとは無関係のミッションだが、それにも関わらず一部のパイロットはベル&ロスの腕時計を装着して報道陣の前に登場。最前線のパイロットたちからも愛着を持たれていることが見て取れた。

今回パイロットが着用していたのは、コックピットの計器をそのまま抜き出したかのような「BR 03」にクロノグラフを搭載した「BR 03-94 ブラックマット」。ブラックを基調としたデザインにホワイトの指針や目盛りが映える、視認性に優れたモデルである。パイロットが着るライトカーキ色の軍服に調和する力強さに加え、本物のミリタリースタイルを軽妙にアップデートするような現代性も大きな魅力である。

パイロット
パイロット
「BR 03-94 ブラックマット」を着装したパイロット。腕時計は軍支給の装備品はなく各自で用意するそうだが、「ベル&ロスは格好良くて気に入っている」とのこと
BR 03-94 ブラックマット
2カウンター式のクロノグラフを備えた「BR 03-94 ブラックマット」。黒白の色合わせによる視認性の高さが光る。ケース素材は耐傷性に優れたブラックセラミック製。セラミックケース。ケースサイズ42×42mm。自動巻き。100m防水。ラバーストラップ。80万3000円(税込)

航空機由来のウォッチメーキングやパトルイユ・ド・フランスとのパートナーシップなど、ベル&ロスと航空界の蜜月は時計業界の中でも屈指だ。その起源をたどるとメゾンの創業者にたどり着く。ベル&ロスを創業したのはフランス出身のデザイナーと元銀行員。ともに20代だった彼らは時計好きが高じてウォッチメゾンを立ち上げることになるが、その一方で根っからの航空機好きでもあった。2人の関心がパイロット向けの時計に、しかも視認性や機能性、防水性などのパフォーマンスに優れた時計に向かったのは至極当然のことだった。

それからおよそ30年、メゾンの原動力になっているのは今もその2人の時計と航空機への熱情に他ならない。ブランドのビジネス化が進む昨今において、いまだ生粋の時計好きがメゾンを牽引し、自分たちが納得したプロダクトだけを世に送り出す。これほど“時計愛”を感じるメゾンは極めてまれだ。愛はものづくりを変え、プロダクトの完成度を変える。デザインコンシャスな男たちの支持を得る理由はこんなところにもある。

問い合わせ情報

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ベル&ロス 銀座ブティック
TEL:03‐6264‐3989

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