時計としての確かさと特別感を兼ね備える

日々ビジネスに追われ、相当の責任を背負い続けるビジネスパーソンにとって、いわゆる“自分への褒美”は単なる買い物ではない。気持ちに区切りをつけ、次の1年に臨むためのエネルギーの源でもある。そんな仕事人の褒美としてふさわしいものは何か。洋服でも酒でもいいが、やはり格好の存在といえば腕時計だろう。毎日のように身に着け、ふと目に入るたびに気持ちを前へ押してくれる。そんな存在感は、腕時計ならではのものだからだ。

では、褒美にふさわしい時計とはどんなものか。奇抜なデザインやインパクトを重視したものも悪くはないが、1年の区切りを刻むものとなるといささか違和感がある。一方で、あまりに無難で凡庸なデザインでは、節目に選ぶ“自分への賛辞”としては物足りない。求めたいのは、確かな品質と気分が高揚するような特別感の双方を併せ持つタイムピースである。

今回取り上げるザ・シチズンの「30周年記念限定モデル 高精度年差±5秒 エコ・ドライブ Iconic Nature Collection」は、まさにそうした時計である。この秋発売となった2モデルから、特にアンバーイエローカラーのケースを備えたモデル(AQ4103-16W)を推奨したい。

まず、この時計には揺らぐことのない確かさがある。ザ・シチズンは国産の高品質時計を代表するブランドで、信頼性と精度への徹底したこだわりで知られる。このモデルに搭載されるのは、年差±5秒という超高精度のエコ・ドライブムーブメント。凡百のクオーツ式ムーブメントを凌ぐ高い精度は、同社が長年磨き続けてきた技術力の結晶である。時計本来の役目は、言うまでもなく正確な時刻を伝えること。自由奔放に見えて責任感が強い、あるいは型破りに見えるけれども礼節を重んじる。そんな人となりを示すような実直さがこの時計にはある。

時計
ゴールドカラーは尻込みしてしまう、という人もいるかもしれないが、ダイヤルやストラップがダークトーンでまとめられたこのモデルは、これみよがしにならない程よい華やかさ。38.3mm径という小ぶりなサイズも気が利いている。クラシックなスタイルによく似合うのは言わずもがな、週末のカジュアルスタイルにクラス感を添えるアイテムとしても重宝する
時計
ザ・シチズンを象徴する素材、和紙で作られた文字板には職人技が息づく。秋の夕暮れの美しい一瞬というテーマのもと、6時側には金箔を用いて“かすれ”を表現し、12時側にはブラウンのグラデーションを施した。ブラウンがかった文字板がゴールドの色みを優しく受け入れている。6時位置のイーグルのモチーフはザ・シチズンのシンボル

そして、もう一つの「特別感」がまた絶妙である。まず目を引くのは、気品のあるアンバーイエローのケースカラー。華美になりすぎず、しかし確かな存在感を放つ。派手さではなく余裕を感じさせる色みであり、スーツにもニットスタイルにも自然に溶け込む。

さらに目を近づけたくなるのが文字板だ。和紙を用いた独特の風合いは、光の角度によって表情が変わり、どこか静謐な美しさを湛える。その上に散りばめられたゴールドの装飾が、控えめでありながら、まさに“褒美らしい”高揚感を添えている。日本的な上質さと、大人の遊び心が同居したようなタイムピースである。

時計
ザ・シチズンの「30周年記念限定モデル 高精度年差±5秒 エコ・ドライブ Iconic Nature Collection」から、AQ4103-16WQ(左)とAQ4100-22A(右)。ケースには軽量で耐傷性に優れるスーパーチタニウムを採用。左はデュラテクトアンバーイエロー、右はデュラテクトプラチナを施すことで、耐摩耗性を高めると同時に美しい色みを創出している。内部には年差±5秒の高精度エコ・ドライブを搭載。共にスーパーチタニウムケース。ケース径38.3mm。光発電エコ・ドライブ。10気圧防水。ワニ革ストラップ(LWG認証取得)。世界限定各400本 (左)47万3000円 (右)45万1000円(共に税込み)

奇抜ではないが、平凡には決して終わらない。確かさと特別感のちょうどいいバランスこそが、身に着ける者の良識やセンスを物語る。過剰に華やぐことなく、あくまでも主役を引き立てる艷やかな存在感は、さながらビジネスパーソンにとってのメダルか勲章か。1年の頑張りを称える褒美として推奨したい理由である。

問い合わせ情報

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シチズン時計株式会社
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photograph:Kazuteru Takahashi
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