Editor's Note
「ガンチーニ」や「ヴァラ」など特徴的なアイコニックデザインもさることながら、履き心地の良さという靴にとってもっとも重要な点をフェラガモは大切にしてきた。それはときとして高級素材と斬新なデザインだけで主張するラグジュアリーとは一線を画す、まさに地に足の着いた哲学である。サルヴァトーレ・フェラガモは、銀幕のスターたちに愛された靴職人としてハリウッドで認知され、ビジネスで成功を収めると、自身の知見を深めるべく大学で人体解剖学を学んでいる。職人としてさらなる飛躍を目指した姿勢は、今後も引き継がれていくに違いない。
Brand History
1910年代、イタリアからアメリカに渡った創業者サルヴァトーレ・フェラガモは1919年、カリフォルニア州サンタバーバラで靴の修理とオーダーメイドを手がける店をオープン。噂を聞きつけた映画関係者が訪れるようになると、ハリウッドに「ハリウッドブーツショップ」を開き｢スターの靴職人」と呼ばれるようになる。その後、南カリフォルニア大学で人体解剖学を学ぶと人間工学に基づく靴型を開発。イタリアに帰国するとサルヴァトーレ フェラガモ社を設立し、フィレンツェに1号店をオープンした。ウィメンズのシューズからスタートし、現在まで革製品、アパレル、香水にいたるまでライフスタイルアイテムをトータル展開するラグジュアリーメゾンに成長。代々受け継がれてきた卓越したクラフツマンシップは健在で、デザイン面では「ガンチーニ」をはじめ、ブランドのアイコニックデザインを継承しながらも、コンテンポラリーなエレガンスを追求したメイド・イン・イタリーのアイテムを発表し続けている。
