着るアートとしてのスーツづくり~ビームス

オーダーの際は、まずゲージモデルという服を着用し、そこから着丈や袖丈、胸周りといった各部位の寸法を測り、最適なフィッティングを見いだしていく。採寸を行うフィッター、型紙を起こすカッター、縫製を担当するテーラーが連携して製作するオーダースーツの技術は、まさにアートとして長く欧米で培われ、伝承されてきた。

採寸中、細かな好みや着心地の話題に花が咲く。これもオーダーならではの楽しみだ。

働き方が多様化した今日。例えばかつてのスティーブ・ジョブズのように、毎日同じ服(タートルネックとデニムのパンツ)を貫くというスタイルもあるだろう。だが、ビジネスパーソンにとってのスーツは仕事着であると同時に、いつ、どこで、何を、どう着るかによって自己表現をするコミュニケーションツールであるという側面も忘れてはならない。

もしもあなたが、他人からエグゼクティブとして然るべき「見られ方」と「扱われ方」を期待するのなら、生地や仕立ての品質は言わずもがな、美しく体に沿った完璧なフィッティングのオーダースーツを試してみることをお薦めする。実に人の第一印象は、名刺の肩書以上にものを言うこともあるのだ。

初めての人であれば、まずどこでオーダーするべきかに頭を悩まされるはず。知見のある人が指南してくれればいいが、そうでなければセレクトショップを覗いてみるのも手だ。ここに紹介するカスタムテーラー ビームスでは、随時オリジナルブランドのスーツのオーダーを受け付けているほか、定期的に海外の著名テーラーを招聘してのオーダー会を実施している。例えば既製服でも人気のナポリのスティレ ラティーノや、サルトリア ダルクォーレなどのスーツを日本にいながらにしてオーダーできるとあって、多忙を極めるエグゼクティブ層の間で特に好評を得ている。

生地見本はブック型。間違いなく目移りしてしまうので、店員さんに相談しよう。

選べる生地の色や柄は膨大だが、ベーシックなダークスーツにこそ違いは滲み出るものである。定番を押さえたうえで、順に季節を感じさせる色や柄を足していくと、オーダーは嗜みへと変わっていく。入門に、早すぎることも遅すぎることもない。ぜひこの春から、新しい扉を開いてみてはいかがだろうか。