こんにちは。イメージングディレクターの高橋みどりです。

連載初回では、「おしゃれのセンスも仕事をこなす実務能力も、同等にその人自身を語る要素のひとつ。ビジネスマンにとって、おしゃれのセンスは“評価の対象”」というお話をさせていただきました。

こういった指摘をすると、多くの男性は、「忙しくておしゃれに気を配る時間がない」「そもそも、どこで何を買えばいいのかわからない」とおっしゃいます。お忙しいのはよくわかりますが、それをおしゃれしない“言い訳”にはしていませんか?

そこで今回は、「たった500円で、通勤途中にはじめられるワンポイントテクニック」のご提案です。

キーアイテムはポケットチーフ。

男性のビジネススタイルはアイテム数が少ないだけに、小物が持つ存在感や効果は絶大なもの。とりわけ、ポケットチーフに関しては、私はもう何年も前から「もっと活用して!」とご提案し続けてきました。にもかかわらず、チーフをした男性がなかなか増えてこないのは本当に残念です。

「どこで買ったらいいのかわからない」という方に、最初の一枚としておすすめなのは、500円から1000円くらいで買える、白、もしくはサックスブルーのハンカチです。コンビニとか駅の売店で売られているものでも充分です。コットンのハンカチを四角く折って、ポケットに入れるだけ。まずはここからトライしてみてはいかがでしょうか。

たとえハンカチ一枚でも全身の印象は驚くほど変わりますので、周囲からの評価もぐっと高まるはず。顔まわりに色を添えることで、顔色がよく見える効果もあります。

ハンカチ 左から ベージュ 390円(無印良品)サックスブルー 1080円(銀座三越) 白 540円(スーツカンパニー)グレーの縁1080円(銀座三越)

ポケットチーフを「特別な日のためのもの」「ドレッシーなもの」と思い込んでいる方も多いのですが、これは大きな勘違いです。そもそも男性のジャケットスタイルにポケットチーフはつきもの。例えば、クールビズでノーネクタイとなったジャケットスタイルにもポケットチーフはよく似合います。というよりもむしろ、ネクタイなしで間の抜けがちな着こなしにこそ、ポケットチーフは必要なのです。

「胸ポケットのあるジャケットには、チーフを入れるもの」という認識が正解。

会食等、少々フォーマルな華やかさが必要な席には、ポケットチーフは必要不可欠です。海外の方から見れば、ジャケットのポケットにチーフが入っていないだけで、「この人は装いにまったく関心のない人」とみなされてしまいます。日本人が大切にする「礼節」という観点からも、チーフなしのスーツスタイルはあり得ないと覚えておいてくださいね。

「チーフの入れ方がわからない」方におすすめなのが、“TVホールド”というたたみ方。もともとはテレビのニュースキャスターが好んで使ったことが名前の由来。胸元がすっきりとし、目立ちすぎませんし、何よりビジネスからフォーマルシーンまで、オールマイティに使えて便利です。

たたみ方は、

(1)たて・よこと2回折って、チーフを正方形にする
(2)ポケットの幅に合わせて、たてに三つ折りにする
(3)ポケットの深さに合わせて、下の部分を折り返す

これだけです。チーフを見せる面積は、写真をご参考になさってください。

TVホールドは1~2cm程度、外へのぞかせるのが一般的

「慣れないことは恥ずかしい」とおっしゃるお気持ちはわかります。でも実は「しないほうが恥ずかしい」ことを、知識として持っていただければと思います。

最初はポケットーチーフをしているのが気恥ずかしくても、毎日続けていくうちに、ポケットにチーフがない状態はご自身でも「物足りない」と感じるようになるものです。その頃には、周囲の評価も「○○さんって、いつもチーフを入れていておしゃれでステキね」と、なっているはずです。

styling:Midori Takahashi
assistant:Eri Koide
text:Maki Kasai
photograph:kuma*