サイドアジャスターで自分好みにフィットする～ロータ【夏のスタイル】

ファッションディレクターの青柳光則さんは「ただいつも着ているスーツの上着を脱いで、ネクタイをはずすだけの間違えた着こなしが定着しては本末転倒」と指摘する。【夏のスタイル】と題して、青柳さんにお薦めのスラックスを選んでもらった。

パンツ専業ブランドとして唯一、クラシコ・イタリア協会に加盟しているブランドがロータだ。同協会には、メイド・イン・イタリーであり、かつイタリアの伝統的なモノづくりを継承し、素材、シルエット、着心地にこだわった最高峰のブランドが集う。それに見合ったクオリティを保証するため、協会に加盟するには厳格な規定がある。ロータはそれを見事にクリアしているのである。

今回紹介するのは、ウェスト部分の長めの持ち出しとサイドアジャスターでフィットさせるスラックス。もちろんベルトレスでもはくことができる。これらのディテールは、昔ながらのオーダーパンツの仕様を用いることで、サルトリア仕立てのクラス感をアピールするもの。ハイクラスのビジネスマンにさりげなくはきこなして欲しい一本だ。

かつて仕立て服が全盛だった頃、パンツは顧客のサイズに合わせて仕立てるもので、ベルトを使わずともサイドアジャスターの調整でウェストにフィットさせていた。それに対してサスペンダーは、既製品のパンツもはけるように使われたもの。両方のディテールを備えることで、仕立て服の技術を継承しながらも、既製服の利便性を取り入れたスラックスであることを示しているディテールだ。