オンタイムにおけるカジュアルスタイルが市民権を得ている昨今、夏期の職場では半袖ポロシャツ一枚姿のビジネスマンも少なくない。しかし妙齢の男性が休日然とした装いで仕事に向かうのはいかがなモノだろう? ノージャケットであっても、どこかに大人らしい“キチンと感”が欲しいもの。そんなとき胸元に一本筋をとおしてくれるネクタイは、大人の品格を表現する重要なアイテムとなる。第二回目では、抜群の通気性が快適さを約束する、フレスコ織りのネクタイを紹介する。

通気性に富み、品格も兼備するフレスコタイ

ネクタイ1万円(税別)/クリケット シャツ1万3000円(税別)/マッキントッシュ・フィロソフィー

夏期に目の詰まったジャカード織りなどのタイを巻くと、どうしても首回りに暑さが溜まりやすくなる。涼しさを求めるならば、ネクタイは目の詰まっていないものを選ぶのが正解だ。前回紹介したニットタイは、その名のとおり“編み”で透け感を作りだしたもの。それとは別にフレスコ素材は、独特の“織り”で通気性を確保しているのが特徴だ。イタリア語で「新鮮」「冷たい」などの意を持つフレスコ織りは、経糸同士がお互いに絡み合い、そこにできた空間に緯糸を通すように織られるいわゆる“カラミ織り”の一種。緩い構造が涼を呼ぶ要素となっている。編み素材のニットタイとは異なり、織り素材ゆえのドレス感を備えたフレスコタイは、上着の着用が求められるようなシリアスなシーンでも使用可能な正統派の一本だ。

1960年、福岡県の小さな工房から生まれたCRICKET(クリケット)。手作業と職人仕立てにこだわり作られる服飾品は、日本のトラッドシーンを支えてきた。なかでもネクタイは“優しく、愛にあふれる男性”をコンセプトに、京都やイタリアのコモ、英国などで織られた本格シルクを中心に使い、バリエーション豊富にリリースされている。フレスコ織りの他、ジャカード織りによるレジメンタルや小紋タイなども人気の逸品。その他ドレスシャツやチーフ、革小物など服飾小物を多数手掛けている実力派のレーベルでもある。

フレスコ素材は前述のとおり、通気性を備えた織り生地であるのが大きなポイント。しかしせっかくの素材も仕立て次第で空気の抜け方が変わってくる。国内ネクタイブランドの草分けであるクリケットのフレスコタイは、薄手のハイクオリティなシルクフレスコを使用し、さらに芯地までも薄手を採用。さらに新作では裏地をあえて排し、さらなる通気性と軽量性を実現している。縫製に関しても国内の熟練職人が仕立てており、完成度は抜群だ。涼しく軽快でありながら、シックなスーツにも負けない品格もクリケット製ならではといえる。

問い合わせ情報

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▼シャツ
SANYO SHOKAI TEL:0120-340-460
▼ネクタイ
クリケット TEL:0120-800-532

styling:Mariko Kawada
edit & text:Zeroyon Lab.
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)