オンタイムにおけるカジュアルスタイルが市民権を得ている昨今、夏期の職場では半袖ポロシャツ一枚姿のビジネスマンも少なくない。しかし妙齢の男性が休日然とした装いで仕事に向かうのはいかがなモノだろう? ノージャケットであっても、どこかに大人らしい“キチンと感”が欲しいもの。そんなとき胸元に一本筋をとおしてくれるネクタイは、大人の品格を表現する重要なアイテムとなる。第三回目では、“和”の智恵を生かした涼感と洒落感を備えた国産シルクタイを紹介する。

和装の裏地に使われる“駒糸”がシャリッと感を演出

ネクタイ1万円/五大陸 シャツ1万9000円/ポール・スチュアート

夏のネクタイは涼感があればあるほど理想的。とはいえ、この季節にネクタイをしめるということは、きちんとした格好が求められる場が前提となるわけで、快適さを求めるあまり品格を欠いたタイドアップスタイルになってしまっては意味がない。そこでお薦めしたいのが“駒糸”を使用したネクタイだ。駒糸とは、古来より着物の裏地などに使われてきた伝統的な和の絹素材。ドライタッチの強撚シルクである駒糸を使い、フレスコのようなシャリ感と張り感を意識して織り上げたシルクタイは、端正に見えつつもクールな着用感を得られるのが大きなポイントとなる。さらに淡いブルー系のタイを選ぶことで、見た目も清涼感溢れる着こなしが満喫できるのだ。

駒糸タイ 各1万円(税別)/五大陸

英国の伝統、フランスの華やぎ、イタリアの粋、アメリカの合理性。それらを日本の繊細な感性にて纏め挙げ仕立てたジャパニーズ・ジェントルマン・スタンダードを標榜する五大陸。クールビズが定着したなかで、夏でもネクタイをしめてスーツを着こなすクラシックなドレススタイルを推している。

それゆえ、新作ネクタイは、日本古来の智恵から生まれた駒糸による上品なもの。“六駒糸”と呼ばれる希少な六角形の強撚糸を用い、さまざまな凸凹感を設けつつ織り上げたシルク地を使用したドライな風合いに加え、味わい深い素材感が楽しめる仕上がり。柄はストライプやドットなど英国トラッドをベースにしつつも、京都西陣にて織られたシルクゆえに、そこはかとなく日本の粋を感じさせるところも見逃せない。

問い合わせ情報

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styling:Mariko Kawada
edit & text:Zeroyon Lab.
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)