時代を超えるアイウェア界のマスターピース
日本のことわざに「目は口ほどに物を言う」とあるように、言葉に出さなくても目からさまざまな情報が相手に伝わる。ことビジネスシーンにおいては初対面での挨拶で、相手の目を見て名刺を交換するだけに、両目の瞳孔(動向)から、湛えているのが自信なのか、はたまた不安なのか、感じとれてしまうわけだ。そこで、印象を操作する“武器”として効果的なアクセサリーは眼鏡をおいてほかにない。しかも、着けるべきは黒縁。安心感や安らぎを与え、目の彫りを深く見せて凛々しい表情を演出してくれる。
眼鏡とひと口に言っても千差万別。ただ、“黒の名品”として黒縁メガネを推挙するのであればOLIVER GOLDSMITH(オリバー ゴールドスミス)の「CONSUL(コンスル)」は外せない。まず、見ていただきたい。知性と品格を兼ね備えた完成度の高いウェリントン型のフォルム、肉厚なフレームに宿る美しいツヤ。決して華美ではないが存在感は際立っている。その普遍的なデザインは、1960年代に初めて登場して以降変わることなく、時代を越えて愛されている。ダンディズムの象徴とされたイギリスを代表する名優、マイケル・ケインが愛用していたことでも有名で、スパイ映画の傑作シリーズ『国際諜報局』『10億ドルの頭脳』のハリー・パーマー役で同ブランドのモデルを掛けていることが視認できる。
デザインや品質だけでなく、サイズが大きめの「g」、レギュラーの「s」、ミドルの「50」、小ぶりな「ss」と、アイウエアとしては珍しい4つのサイズに分かれている。眼鏡を選ぶうえで重要なファクターともいえるサイズ提案は、老舗英国ブランドならではの丁寧な姿勢の表れでもある。顔になじみ、そして引き立てる一本が必ず見つかるはずだ。
text: Masato Nachi
photograph: Kazuya Aoki
styling: Yoshiki Araki