Q 女性経営者との商談に臨む
A 優雅なカラー使いで、柔和な表情を醸す
一般的に女性は、男性よりもファッションに目が行き届くもの。自分の装いへの感度が高く、自然と男性にも同様の配慮を求めてしまうのだろう。そこで女性に会うときの服装術として覚えておきたいのが、優しいカラー使いだ。しかしうわついた色柄は逆効果。英国流の伝統的な色柄使いを参考にしてみよう。スーツはソフトなブラウン系。シャツは英国王室も礼装に用いる二色使いのクレリックシャツを選択。ネクタイも平凡な柄ではなく、英国趣味が香る多色を配したペイズリーを選んでみた。大切なのは女性を慮り、もてなす心で装うことだ。
Paul Stuart(ポール・スチュアート )のスーツの魅力とは?
1938年、NYに創業したポール・スチュアート。英国の服作りを基本に東海岸のセンスを込めたスーツは、世界中のドレッサーが愛用する。このスーツは英国生地を用いた新作。堂々としつつも柔和な表情が魅力。
青柳さんが教える英国調を取り入れる方法
ファッションディレクターの青柳光則さんが、英国調を上手に、無理なく取り入れる方法を解説する。ぜひ、スーツの着こなしのヒントとして覚えておきたい。
POINT1 ペイズリー柄のネクタイを締める
ペイズリーはインドカシミール地方の民俗柄として誕生し、植民地時代、英国に持ち帰られた柄。そのため英国紳士はペイズリーを楽しむ人が多い。
「多色使いだと使いにくいかもしれませんが、2~3色で同系色のペイズリーネクタイなら締めやすいと思います。英国フォーマルで使われるクレリックシャツも、英国調のVゾーンメイクに有効ですし、ポケットチーフも柄物をあわせれば、いかにも英国紳士の上品で洒落た装いです。女性ウケも良さそうじゃないですか」(青柳)
POINT2 スーツの正統、スリーピースを着る
スーツと共地のベストを着るスリーピースこそ、スーツ発祥の地、英国の正統スタイルだ。
「ベストを着るだけで、英国調の格式がぐっと高まります。オフィスでジャケットを脱いでも、シャツ一枚で過ごすよりはるかにスマートですし。そもそもシャツは下着だから、シャツ一枚でいるなんて下着でいるようなものだというのは英国紳士の言葉ですから、紳士にとってベストはマスト。スリーピースこそ英国スーツの基本なのです」(青柳)
styling:Mitsunori Aoyagi(Hamish)
photograph:Ryohei Watanabe
hair & make:Akira Nishihira
model:Kenji Kureyama(BARK IN STYLE)
edit & text:zeroyon lab.