華やかな席が増える年末は、ドレスアップにチャレンジ

こんにちは。イメージングディレクターの高橋みどりです。

早いもので、今年ももう11月の半ば。これから年末にかけて、華やかな席が増える季節ですね。

ここ数年、パーティや披露宴などのシーンで、ドレスアップした男性を見かける機会が少なくなったように感じます。ほとんどの方は、いつものビジネススーツに少々派手目なネクタイとポケットチーフを合わせた程度のコーディネート。個人的には、これはとても残念に感じています。

女性から見ると、タキシードをバシッと着こなした男性は、とても精悍でかっこよく映るもの。「あら? この方、こんなに素敵だったかしら?」と見違えるほどのインパクトをもったアイテムを利用しない手はありません。

華やかな席が増える年末は、タキシードデビューにはちょうどいい季節です。すでにお持ちの方は、ぜひ、クローゼットの奥に眠っているタキシードを引っ張り出して、「晴れやかにドレスアップする」行為を見直してみませんか?

男性にしか表現できないドレスアップのスペシャル感を披露していただきたいものです。

基本のドレスコードを復習

タキシードの特徴は、襟に拝絹と呼ばれる光沢のある生地が使われていること。襟のかたちはピークドラペルかショールカラーのものが主流。足元は黒のエナメル、内羽根式のプレーン・トゥを。タキシード(ジャケット、ベスト、スラックスのパターンオーダーメードメイド)28万円(参考価格)、シャツ3万9000円、スタッズ(替ボタン、3個セット)4万円、カフス3万5000円、蝶ネクタイ7000円、チーフ5000円(すべてWAKO/和光)、シューズ26万円(JOHN LOBB x KNOX&TAYLOR/KNOX&TAYLOR omotesando)すべて税別

「フォーマル」のドレスコードで大切なのは、「昼」と「夜」の区別があること。日本にはない習慣なので、ここは注意が必要です。

ドレスコードは、その「格」により大きく3つに分けられます。

もっとも格式の高いフォーマル(正礼装)は、昼ならモーニングコート。夜のシーンならテールコート(燕尾服)です。もしも招待状に「ホワイトタイ」と書かれていたら、「テールコートでお越しください」という意味ですので、お間違えなく。

セミフォーマル(準礼装)に当たるのが、今回ご紹介する昼のディレクターズスーツ、夜のタキシードということになります。いわゆる「ブラックタイ」の装いです。

そしてインフォーマル(略礼装)が、昼夜ともにダークスーツということになります。

日本ではセミフォーマル、インフォーマルな場で昼夜を問わず、「ブラックフォーマル(黒の礼服)でOK」というドレスコードが一般的ですが、慶事にブラックフォーマルを着用するのは、実は日本独特の習慣です。外国の方にお目かかる機会が多い方は特に、「欧米では慶事にブラックスーツは着用しない」ことを覚えておいてくださいね。

以上がドレスコードの基本ですが、実際にはタキシードに関しては、格式の高い結婚式や披露宴はもちろんのこと、ちょっとしたパーティなどにも着られます。蝶タイやカマーバンドでアレンジすれば幅広い着こなしも可能。もっと気軽に着ていただきたいアイテムです。

あまり馴染みのないスタイルかもしれないけれど、昼のセミフォーマルにふさわしい装いがディレクターズスーツ。黒のジャケットにグレーのベスト、ストライプのスラックスを合わせるのが基本。足元は内羽根式のプレーン・トゥなど、エレガントな靴を。パターンオーダーメイドのジャケット11万円(参考価格)、ベスト 2万5000円(参考価格)スラックス 6万円(参考価格)、シャツ1万4000円、ネクタイ1万円、チーフ5000円(すべてWAKO/和光)すべて税別

「ドレスアップの経験を積む」のも、仕事の一部

ほとんどの女性はドレスアップすることで気持ちが晴れやかに「上がる」ものですが、男性にとっても、「いつもと違う自分」に装うのは、とても楽しい行為だと思います。

ちょっと想像していただけばおわかりになると思いますが、ご自分がタキシードを着た場面を想い描くだけで、背筋がすっと伸びる気がしませんか?

フォーマルな場にふさわしい、こなれた感じや自然な所作は、実際に経験を積むことによって身につくものです。「いざ」というときに着慣れぬタキシードでホテルに出向き、ドアマンに間違えられてしまったらとても残念ですよね。

大切な席で堂々と振る舞えるよう予行練習を重ねておくことも、ビジネスマンとしては必要な心得かと思います。

そして是非、心に留めていただきたいのは、フォーマルの場において大切なのは「男性がいかに女性を引き立てるか」という視点です。男性が先にドアを開ける、女性にコートを着せかけるといった“レディ・ファースト”の振る舞いを心掛けたいもの。

普段は「エスコートなんて気恥ずかしくて…」という男性も、タキシード姿であれば、意外と気負わずできるかも?

女性にとっても、こういった気遣いはとても嬉しいものです。あなたがタキシードを着るだけで、もしかしたら記念日やクリスマスの食事が、もっと楽しく、より華やかな思い出の時間に変わるかもしれません! ぜひ、トライしてみてくださいね。

必要不可欠なアイテムではないけれど、こんな小物を持っていれば、さらに着こなしがランクアップ。シルバーのカフスはインフォーマルな装いにはもちろん、普段使いにも。礼装用手袋1万8000円(メローラ/和光)、礼装用マフラー2万2000円(WAKO/和光)、カフス4万3000円(タテオシアン/和光)、ネクタイ3万円(ステファノ リッチ/和光)すべて税別
タキシードの正式な着こなしは、蝶タイとカフス、カマーバンド、サスペンダーは黒で、シャツとポケットチーフは白で統一するのが基本。少しカジュアルな席であれば、シルバーの蝶タイでも。この場合も必ずカマーベルトの色を揃えること。黒蝶ネクタイ7000円、カマーバンド1万8000円 シルバー蝶ネクタイ8000円、カマーバンド1万8000円(すべてWAKO/和光)すべて税別
フォーマルではない集まりなら、こんなアクセサリーをスーツやジャケットの襟元に。季節感も感じられますし、女性はこういった小物に目ざといので、会話の糸口にもなるかもしれません。日本製のハンドメイド。ラペルピン1万2000円/税別(ピッコラ ステラ/和光)
問い合わせ情報

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TEL:03-6805-1739
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styling:Midori Takahashi
assistant:Eri Koide
text:Maki Kasai
photograph:kuma*