2着目のコートは、目的別と機能性で選ぶべし～大人のための賢いコート選び【5】

ビジネスコートの定番ゆえに、ステンカラー型をすでに所有している人は多いだろう。そこで今回は、優れた防寒性や撥水性、それに一着で二つの装いが楽しめるリバーシブル型など、機能に特化したモデルをピックアップ。普遍的に着られるステンカラー型に加え、悪天候や非常に寒い日などに便利な機能系コートを完備しておけばコートの揃えは完璧だ。

日本人の感性に合わせたスーツからカジュアルスタイルまで、オールラウンドに打ち出すオンワード樫山のブランド、五大陸。一見定番的なステンカラーコートも機能が満載だ。シェルの素材はイタリアの高級服地メーカーであるデルフィノ社の透湿防水機能を備えた「モンテビアンコ」を使用。内側の着脱式ライナーに、ダウン素材のポテンシャルを生かす独自システムを取り入れているのも大きなポイント。より多くの空気を含みつつ衣類内の空気を循環させる構造を実現させており、通常のダウンアイテムより軽く温かく着用することができる。

コートのフロント部分はボタンとジップ併用式のため気密性高く着こなせる。また、ライナーは新技術を採用したADS（Advanced Down System）を採用。ダウンパックを使わず、特殊テープを使う新構造は糸で縫製しないため、羽毛が飛びださず外観はすっきり着心地もしなやか。

ダウンライナーが脱着式であるのはもちろんのこと、取り外して携帯しやすいように専用パック一体式のデザインとなっているのがうれしいところ。出張用としても至極便利な機能といえる。

スーツを主体としたビジネススタイル全般を扱う名門として名高いダーバン。この一着は合理的なビジネスマンから人気の高いスタンドカラー型のオーバーコート。表地には二層構造のゴアテックスを使用しており、悪天候でも快適に着こなせるのが最大のポイントだ。スタンドカラーは襟元からの冷気侵入を防ぐデザイン。マフラーなどを用いずに済むところも人気の秘密だ。カラーはネイビーとブラックの二色展開。

厳格な規定をクリアしたゴアテックス製品であることを示す内タグ付き。防水、透湿、防風、撥水性に優れており、機能コートとしては最高峰の実用性を誇る。

内側には中綿式のライナーが付属する。またスタンドカラーの内側にはフードを内蔵。不意の風雨などにも対応する。

英国コートの正統な担い手として信頼の厚いマッキントッシュ ロンドン。機能性コートは、このブランドのDNA。そのスピリッツを継承するかのようにイタリア、ロロ・ピアーナ社の機能素材「ストームシステム」を採用した新作を多彩にリリースしている。防風性に加え、コート内部にこもりがちな湿気を外部に放散する機能を備えながら、ドレッシーなスーツにも美しくマッチする天然の風合いも兼備。ドレッシーでスタイリッシュなチェスター型はコーディネイトにこだわるファッション好きからも、高い評価を得ている。

「ストームシステム」生地の証であるタグ。天然ウール・シルクの上質な艶や素材感はそのままに、湿気を逃す透湿性、防風性を備えているところがこの素材の特徴だ。

ヨーロッパのエレガンスとドイツの緻密な仕立てを備えたボスは、欧州や米国のビジネスマンから絶大な支持を得ているブランド。今季注目すべき一着は、ビジネスシーンにもマッチするスタンダードなステンカラー型。しかも裏返しても着用できる便利なリバーシブル仕立てが特徴だ。また、防風性と撥水性を備えているところもポイント。クローゼットに余裕がない人にも、一着で二着分に着回せるこんなコートにトライしてみてほしい。

メランジ調のチャコールグレーのサイドはクラシカルなウールタッチで、ビジネススーツ全般に合わせられる。反対側となるカーキのサイドはスポーティなナイロンタッチ。アクティブに装いたいときや、オフのニットスタイルなどに合わせても洒落ている。

イタリア・ミラノで1935年に創業したシーラップは、オリジナルのコートの他、一流ブランドのOEMを数多く手掛けてきた実績あるブランド。クラシカルなアウターのほか、昨今は先進素材を駆使した機能系コートも多彩にリリースする。なかでも今季話題となっているのが、パッカブルタイプのステンカラー型。素材に日本製の高密度ナイロンを使用しており、非常に薄手なのでコンパクトに畳めるところもポイント。日本人体型にフィットする前肩使用の作りや、袖がフロントに向ってカーブするパターンなどテイラード仕立ての手法を採用しており、優れた着心地が味わえる。

この一着には専用のジップパックが付属する。薄手の素材を使用しているため非常に小さく畳むことが可能。写真のようにコンパクトなので、出張や旅行などに持ちだしやすいので、出張鞄にしのばせておくのもいいだろう。