スマートなビジュアルだけにとどまらない、超薄型ブリーフケースの恩恵

その薄さ、わずか2センチ。収納力という点で心許ない数字に見えるかもしれないが、果たして本当にそうだろうか。タブレットと多少の書類、筆記用具。それらを運ぶには十分で、現代的なビジネススタイルに則した設計と捉えられる。むしろ、極薄のバッグに必要な所持品を整頓できることは、頭の整理されたビジネスパーソンの証ともなるだろう。そんなネット時代の理想を体現するのが、「シンプソン ロンドン」の超薄型ブリーフケースだ。

表地には最高級のブライドルレザーを使い、外見は誠実さをキープ。裏地には多くの高級車の内装でも採用される人口皮革「アルカンターラ」を使用し、耐久性と肌触りにこだわった。19世紀からビスポークの鞄や革小物を作製していた英国の「タナー・クロール社」をルーツに持つブランドらしい、真面目なモノづくりが息づいている。

下部にポケットのついたシンプルな内装。スウェードライクな人口皮革「アルカンターラ」を採用する

英国王室を顧客に持ち、ロンドン市内に工房を構える唯一の鞄ブランド「シンプソン ロンドン」の発想には、まだ続きがある。この薄いボディに、さらに2つの仕掛けを施しているのだ。まずはハンドル部分をスライド式にすることで、内部への収納が可能。クラッチバッグとして使える2‐WAY仕様となった。また、ボディについた金具にも注目。実はファスナートップをカチッと止められ、さらに施錠できる仕組みとなっている。鍵をかけて内部を守るのはもちろん、開閉しやすい大きなファスナートップを装備しながらもコンパクトにまとまるため、薄型バッグのスマートさが損なわれない。クラッチへのトランスフォームとともに、ユニークでありながらも実用性を加味したディテールなのである。

スライド式のハンドルを引き下げることで、クラッチバッグとしても利用できる
ファスナートップを付属の鍵で施錠できるため、コンパクトなビジュアルをキープしつつセキュリティも万全

持つ人の人格を代弁しかねないビジネスバッグの選び方には、細心の注意を払いたい。ただし注意が度を過ぎては、つまらない印象を与えてしまう。あなたの選択に、個性と冒険心あらんことを。

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TEL:0798‐20‐8607


text:Naoki Masuyama
photograph:Kentaro Makita
styling:Eri Koide