端正な外見が損なわれぬよう、収納量にも気を配りたい

2つ折り財布を今までに持ったことがない人など、果たしているのであろうか。そう思うほど、財布の定番デザインである2つ折り。コンパクトなサイズ感と収納力、デザイン性の幅広さから、今も圧倒的支持を獲得している。ただし、どうしてもカジュアルすぎてビジネスシーンには不向きであるとも捉えられがちだ。

しかし、仕立ての良いレザー製、それも信頼に足るブランドのものなら、心配は杞憂となる。そのうえで、あまり厚みが出ないよう収納量に気を配れば、端正な外見が損なわれることもない。では、どんな財布が候補となるか。

財布1万9000円(税別)[W11×H9.5×D2cm]/ボス
コインケースと4つのカードホルダーを備える。右下にはブランド名を控えめに型押し

まず挙げたいのが、質実剛健なドイツのモノづくりをルーツに持つ紳士のためのブランド、「BOSS(ボス)」のモノグラムウォレットだ。柔らかい雌牛の革を丁寧になめし、表面をエンボス加工。ブランド名の「H」と「B」をさりげなくモノグラムで配している。シボ感のある内装は、コインケースとカードホルダーを十分に確保。絶妙な遊び心を宿しながらも使い込むほどに味が出る、取り回しのいい財布といえよう。価格も実に控えめなので、財布の代打の切り札として持っておいて損はない。

財布4万円(税別)[W11×H10]/バリー 銀座店
コインポケットを設けず、さらにスリム化。上質なカーフレザー製だ

こちらは「BALLY(バリー)」の2つ折り財布。1851年にスイスで産声をあげた老舗は当時から高級レザーの扱いに長けブランドだ。この財布も、そんな伝統のカーフレザーを採用。そのうえでデザイン性の高い型押しプリントを施すが、これは耐久性の向上にも貢献する。細かな傷が目立たなくなるという点も実用的だ。これまではプリントであしらわれていたロゴがラグジュアリーなプレートに変更になったのも見逃せない。内装は、2つの札入れと8つのカードポケットを装備。コインポケットはないものの、そのぶんスリム化を実現している。

いずれにせよ、コンパクトながら収納力のある2つ折り財布は、カジュアルなビジネススタイルやオフの日の頼れる相棒として、まだまだ活躍の場があるはずだ。

問い合わせ情報

問い合わせ情報

ヒューゴ ボス ジャパン
TEL:03‐5774‐7670


バリー 銀座店
TEL:03‐6264‐5471

text:Naoki Masuyama
photograph:Kentaro Makita
styling:Eri Koide