派手さはなくとも、見どころあり。シンプルななかに遊び心を忍ばせて
細部まで気を抜かない、丁寧な仕事がされたアイテムにこそ、男の食指は動かされる。であれば、自らのデスク周りにも、細心の注意と最大限の関心を払いたい。派手さを声高に主張するのではなく、シンプルながらに品質と遊び心で差をつける卓上小物。そんな物言わぬ“静かなる”逸品が、エグゼクティブのデスクを相応に見せてくれるはずだ。
ラフなアイデアスケッチなら、こんなスナップパッドが最適
2000年にNYのブルックリンにて産声を上げたステーショナリーブランド「POSTALCO(ポスタルコ)」。現在は拠点を東京に移しながらも、原点である“手紙でのやり取り”をインスピレーション源にモノ作りを続けている。不要になった紙をまとめてメモ帳代わりに使えるエコなスナップパッドは、ブランドが得意とするプレスコットンのカバーを採用。撥水性を備えつつも天然コットンの風合いを残した、味わい深い表情に仕上がっている。
そんなスナップパッドとセットで使用したいのが、金属の渋い光沢が目を引くチャンネルポイントペンだ。こちらは日本の職人の手により、金属の塊から1点ずつ削り出して作成。U字に削り出されたクリップは滑らかにスライドし、そこに刻まれたデザインコンシャスな格子柄は使用時の滑り止めとしても機能する。
裏面にギミックを忍ばせるペンケース
「DAVIDE ALBERTARIO(ダビデ アルベルタリオ)」は、イタリアの有名メゾンのアイテム製造も手掛ける老舗ファクトリーブランドだ。知る人ぞ知る存在だが、品質の高さは折り紙付き。このペンケースは2枚の革を繊細につなぎ合わせ、ポケットに入れてもスマートに持ち運べる“超薄型”を実現した。表面には細かな傷が目立ちにくい型押しレザーを採用。背面に付属のミニ定規が入るポケットを装備する点も、どこか男心をくすぐる気がする。
ポンと置いてあるだけでも様になるカードケース
日本の職人技が光る「GANZO(ガンゾ)」のコレクションのなかでも、このマエストロシリーズはフィレンツェの伝統工芸技術からインスピレーションを得たもの。手になじむ丸みを帯びた美しいフォルムには、革を木型にはめ込みノンステッチで仕立て、丁寧に手で着色するなど、数々の工程に日伊のクラフツマンシップが宿る。素材には、イタリアベジタブルタンニンレザーを使用。計算され尽くしたケースと蓋の“ハマリ具合”は抜群で、名刺入れとしてだけでなくカード&小銭入れとしても活躍する。
メモを取る姿がかっこよく映る。英国製のメモパッド
1887年生まれの「SMYTHSON(スマイソン)」は、英国御用達の証「ロイヤルワラント」をすべて持つ数少ないブランドのひとつ。1平米あたり50gという薄手の「フェザーウェイトペーパー」で知られ、ダイアナ元妃や女優グレース・ケリーらも同ブランドのダイアリーを愛用したという。こちらは、「フェザーウェイトペーパー」の技術を生かして作られたリフィルと、それを挟むポケットメモだ。カーフレザーにクロコ型押しを施したポケットメモは、艶のあるネイビーカラーが大人の色気を放出。ジャケットの内ポケットから取り出し、メモを取る。そんな何気ない所作にも、風格をにじませてくれる。
text:Naoki Masuyama
photograph:Kentaro Makita
styling:Eri Koide