ブランドテイストにこだわらないシャツ&タイの組み合わせ術
この春改編されたセレクト型アクセサリーコーナーを担当する石田さんは、ダブルスーツながら厳ついイメージを感じさせない。細身のシルエットで短い着丈のコンパクトなフォルムに、パッチポケット式というカジュアルディテールが、これまでのダブルの印象を刷新している。
ストライプのシャツはイタリアブランド、ニットタイはアメリカブランドだ。かつてイタリアのシャツに、アメリカのタイを合わせるのは野暮といわれたこともあるのだが、そんな小賢しいルールを無視してコーディネートしてしまうのが先進的なメンズスタイル。モダンクラシックはブランドの出自を気にすることなく、自由に遊ぶのがいい。
ダークネイビーを主体に、白場の分量を極力削ることで、ドレスアップした印象が漂う。何気に小物もこだわっている。チーフはネイビーに白縁使いと、白の分量が今日のコーディネートに相応しい。
眼鏡は伊達、時計はアメリカ製。クラシックのニューウェーブを地で行く石田さんの足元は、国内展開のないオールデンのビットローファーだ。硬軟織り交ぜたアイテム選びには、ノールールでもクラシックを存分に楽しんでいることがわかる。アイビー、DCコンチネンタル、クラシコ・イタリアに続く、新時代のスーツスタイルがここにある。
text:Zeroyon Lab.
photograph:Yuko Sugimoto