小物と小技で「神は細部に宿る」を実践

ダークなチャコールグレーはバーズアイ風のマイクロチェック。生地感あるスーツには、あえて白シャツと淡いベージュの小紋タイで控えめなVゾーンをメイクしている。Vゾーンが狭いダブルのスーツの場合、少し派手目の色柄タイを合わせる人が多い中、控えめなドレスアップを図っている様子だ。

衿元をご覧いただきたい。カラークリップを使ってレギュラーカラーの衿羽根を絞っている。これはタブカラーやピンホールカラーなどでなくとも、タイトな衿元を演出できるのでフォーマルな気分を加えるのに最適な小物使い。シルバーではなく、あえてゴールドを選んだのはネクタイの色調に合わせてのことだろう。

キャラクターも控えめなのか、最後までスーツのブランドを明かしてくれなかったのだが、じつは細かなところで勝負をかけてくるタイプとお見受けした。

ポケットチーフにもさりげない柄モノを使っていて、差し方もTVではなくあえてパフドにしている。よく見るとスーツもチェンジポケット付きという、トレンドの英国テイストを取り入れたものだ。

細かい小技使いがキラリと光る。ちなみに腕時計はジャガールクルトのレベルソ。「できればカラークリップと同じゴールドケースにしたかったんですが」とはにかんだ。この春、宝飾・時計の担当からクロージングへ異動してきたばかりという古林さんは細部に神を宿すタイプのようだ。

ワイシャツ・ネクタイ スタイリスト 古林佑一さんのVゾーン――シャツ/ルイジ ボレッリ、ネクタイ/カラブレーゼ、ポケットチーフ/シーワード・アンド・スターン
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text:Zeroyon Lab.
photograph:Yuko Sugimoto