以上の観点から本メディアは、出張を快適にこなすためには“3バッグ体制”こそが合理的とする立場をとってきた。大量運搬に適した「トロリー」。個別収納や携帯性に優れた「ブリーフケース」。それにオフタイムをスマートにフォローする「多目的バッグ」。この3点を揃えて活用することで、出張のあらゆるシーンも無駄なく円滑に進めることができるのだ。さらに理想となるのが、その3点の鞄がチグハグでなく、社会人としての統一感を備えたセットであること。そこで機能性バッグの実力派ブランドから、昨今の出張事情に適した3点を選び出して提案する。
第4回は、高感度なビジネスパーソンからも支持の高い、イタリア「フェリージ」の新作バッグをピックアップ。
現代的なファッション性と実用性を両立
持ち物はその人の個性を映す鏡だ。とりわけ初対面の場合などは、身に着けている服装や装身具などの小物類から、その人のパーソナリティが推し量られることも多いだろう。特に常に新鮮なアイディアや感性を求める業界に身を置く人ならば、「凡庸な人」と即断されないようバッグ類まで吟味したものを用意すべきだ。「フェリージ」は、イタリア北部の街フェラーラで生まれた小さな革工房がブランドの始まりだ。
日本では色鮮やかなナイロンとナチュラルレザーを用いたコンビバッグが特に有名だ。ビジネススタイルに品良くマッチしながら、個性的な洒落感をも演出できる鞄ということで、高感度なビジネスパーソンから特に強い支持を得ているだけに、先のような業種には最適なブランドといえるだろう。
海外の伝統的なバッグブランドとなると、現代的な使い勝手よりも固有の美観を優先しがちだが、フェリージはエレガントな華やかさに加え、モダンな利便性をきちんと追求している。才色兼備の本格鞄匠として、年々コレクションを拡充させているだけに益々見逃せない存在となっている。
“らしさ”も完備した次世代トロリー
ラテン的とも言えるファッショナブルな美観を大切にする「フェリージ」だが、今季次世代のハイテク素材を使ったトロリーケースを作りだし注目を浴びている。ポリカーボネイトにABS混合樹脂を用いた独自素材のトロリーは、耐衝撃性や耐摩耗性、軽量性に優れているのがひとつの特徴だ。また、ブランドのDNAでもあるバケッタレザー(伝統的な天然鞣しの革)やブラス(真鍮)パーツを多用し、「フェリージ」らしいルックスを共存させているところも見どころ。内側は使い勝手の良いワンボックス型にして風格漂うオリジナルのモノグラム裏地をセット。4輪ホイールに加えTSAロックを装備するなど、完璧な現代トロリーの要素を網羅している。
本体のジッパーには水滴の浸入などを防ぐ止水ジッパーが施されており、雨天の出張も問題なし。ブラスパーツにはそれぞれロゴを刻むなど細部まで念入り。
本体背面にはブレーキレバーが設けられている。電車やバスで移動する際、揺れによってトロリーが動いてしまうことを防いでくれる。
定番の人気モデルに“主張機能”をプラス
「フェリージ」と言えばコレ! と指名買いも多い、ナイロン&バケッタレザーのコンビブリーフ。この「1771」モデルは、従来の傑作ブリーフケースである「8637」モデルに、これまで熱望されていた機能を搭載。脱着式のショルダーストラップや底鋲、それにトロリーケースに装着可能な背面スリーブを加えた“全部入り”スペックだ。さらに荷室内部は多彩なポケットを備えており種類別収納ができる設計。出張や旅行を意図しアクティブな進化を遂げた新定番が満を持して登場した。
内部はシックなキャンバス仕立て。ペンや携帯電話、メモなどのポケットが配されている。
手回り品が納まるジャストサイズ
通常であれば手ぶらにて出掛ける散歩や軽い食事なども、不慣れな出張先では小型のバッグがあると心強い。モデル「19/56/NU+A」は、ナイロン×コットンキャンバス製のミニショルダー。本体はマチなしの薄仕立てゆえに最小限の手荷物をすっきりコンパクトに収納できるところが魅力だ。素朴なオリーブカラーのキャンバス製は、ジーンズを軸とするようなラフな着こなしにも絶妙にマッチ。本体は撥水性も兼備する。
本体は内容物が取り出しやすいボタン留めのオープン式。サブポケットは貴重品入れに適したジップ式となっている。
styling:Mariko Kawada
edit & text:Zeroyon Lab.
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)