「オーダーメイド」コーナーには、〈ヘンリープール〉〈ルビナッチ〉〈チフォネリ〉という世界の名立たるテーラーの本国製メイドトゥメジャー(イージーオーダー)を世界で初めて常設。職人が来日したときは、採寸は日本で行って本国で縫製されるビスポーク(フルオーダー)も実施されるという。わざわざ海外まで足を運んでビスポークを仕立ててもらう人がいることを考えると何とも贅沢なシステムだ。また、各ブランドは日本で採寸し、縫製する日本製ビスポークを新たに常設するというから、日本橋三越本店を訪れた際はいつでもスーツをフルオーダーできる。
「アルチザン」コーナーには、国内外の老舗一流テーラーから、知る人ぞ知るアルチザン達の逸品を数多く展開する。今もっとも旬でありながら、 タイムレスな逸品を世界中から集めた。
イタリアを代表するサルト、<レナート・チャルディ>、 <アントニオ・パニコ>、 <アントニオ・リベラーノ>が夢の競演をしたダークブルーカシミヤのコート。日本初上陸のナポリの名門〈マルコ・チェラート〉のパンツなど、 オーダーサロンでありながら、世界で通用するトータルなワードローブが日本橋三越本店で揃う。
とりわけ注目なのは、多くの著名顧客を持つサヴィル・ロウの老舗テーラー〈アンダーソン&シェパード〉の洋品雑貨ショップ「ハバダッシャリ」。本店以外のコーナー展開は世界初というから、足を運んでみたいものだ。
展開予定ブランドには過去に紹介したサルトリア チャルディやサルトリア パニコ、リベラーノ&リベラーノ、パンタロナイオ・オサクハヤト、ロータなども含まれている。
「メイドトゥメジャー&オーダーシャツ」コーナーにあるBARをイメージしたウェイティングカウンターでは、リラックスして、資料を見ながら理想のスーツやシャツのイメージを膨らませることができる。なかなか目にする機会のないカッターのワークルームもオーダーしながら見学することができる。さらに壁一面に並ぶ圧倒的なバリエーションの生地『ファブリックセラー』はスーツやシャツ好きにはたまらない景観だろう。希少なものも含めた多数の生地とじっくり考えることができるスペースが整えられており、オーダーの満足度はより高いものになるはず。
以前、STYLEでも取り上げたテーラーケイドや南シャツをはじめ、リッドテーラー、ヒデアキサトウ、イプシロン、テーラー&カッターなどの有名ブランドが所狭しと並ぶ。
注文服はテーラーのスタイルやハウススタイルが反映されるから、誰に作ってもらうかはそのオーダーの満足度を分ける重要な要素となる。同じ建物の中にテーラーが一堂に会する場所なら、自分に合うスタイルのテイラーを見つけやすいはずだ。オーダーが初めてという人からオーダーに慣れている人まで、ここを訪ねれば自分の好みや新たな気づきを発見できるはず。さまざまなニーズに対応できるこうした懐の深いサービスは百貨店の真骨頂といえる。
問い合わせ情報
日本橋三越本店
TEL:03‐3241‐3311(大代表)
text:Naoko Tojo