以上の観点から本誌は、出張を快適にこなすためには"3バッグ体制"こそが合理的とする立場をとってきた。大量運搬に適した「トロリー」。個別収納や携帯性に優れた「ブリーフケース」。それにオフタイムをスマートにフォローする「多目的バッグ」。この3点を揃えて活用することで、出張のあらゆるシーンも無駄なく円滑に進めることができるのだ。さらに理想となるのが、その3点の鞄がチグハグでなく、社会人としての統一感を備えたセットであること。そこで機能性バッグの実力派ブランドから、昨今の出張事情に適した3点を選び出して提案する。

第5回は、旅行用バッグの殿堂ブランドとして世界に知られる「サムソナイト」をピックアップ。

長年の経験に支えられた開発力が強み

仕事におけるスキルというものは、長年にわたるトライ&エラーを繰り返し少しずつ積み上げていくもの。そういった経験の集積がある日、成功として結実するのである。

「サムソナイト」は、前述のごとく堅実な生き方を志向する人に相応しい、極めて優良なバッグブランドだ。同社の設立は1910年。米国コロラド州にて創業したトランク製造会社に原点がある。100年以上もの長きに渡りラゲッジブランドの雄として知られるだけに、あらゆるノウハウが蓄積されているのだ。顧客の声を積極的に生かす地道な物作りの姿勢も「サムソナイト」の強みだが、同様に画期的素材を自社にて作りだす開発力も見逃せない。

1950年代にはマグネシウムから軽量スーツケースを、80年代には当時ベストセラーとなったシリーズ、オイスターを、また近年では、2008年に史上最強・最軽量のコスモライトシリーズを誕生させている。絶え間ない努力の積み重ねから革新的製品を作り出す「サムソナイト」。業界をリードし続けるのには相応の理由がある。

フロントポケットの追加でさらに便利に

スーツケース「EVOA スピナー55フロントポケット」(縦55×横36×マチ24cm)5万2000円(税別)

「サムソナイト」の「EVOA(エヴォア)」シリーズは、ビジネスからレジャーまでフォローする洗練さと機能性を高いレベルで結実させた注目のコレクション。従来のサスペンション付きホイールや強度を誇る二重構造ジッパーに加え、便利なフロントポケットを追加している。本体シェルはブラシ加工を施すことで、傷がつきにくくありながらスタイリッシュな洒落感を放つ仕上がりに。本体内部にはファスナー付きカバーとクロスベルトを配するなど、老舗ならではのきめ細やかな装備が詰め込まれている。

ビジネスホテルなどの狭いスペースでスーツケースを開けるのに、縦開きは便利な仕様だ

フロントポケット内部にはクッション付きの収納スペースを2段で確保。PCや周辺機器、それにタブレットPCなども安心して収められる。本体を寝かすことなくそれらを手軽に取りだせるため、非常に便利。

品格と耐久性を備える3WAYバッグ

ブリーフ「モダニクル 3WAYバッグ」(縦30×横42×マチ12cm)9月発売予定。4万5000円(税別)

スピード感を持って働く合理的なビジネスパーソンから支持を得る「サムソナイト」のブリーフケース。なかでも今季新たにラインナップされた「モダニクル」は機能面も際立つコレクションだ。フロントには撥水レザーを、サイドと背面にはコーティングポリエステルを用いており、品格と耐久性、それに軽量性を追求。メインの荷室は止水ジップで固めており、全天候に対応するスペックだ。背面ポケットには背負い用のストラップが内蔵されており、バックパックとしても利用できる。

ノートPC用のポケットの反対側にもポケットを2箇所配置

本体内部にはPC専用ポケットなどをはじめ複数の収納を内蔵。また、忙しい人に欠かせないフロントオーガナイザーポケットの他、交通系ICカードなどの収納に適したクイックアクセスポケットも併設する。

持ち姿がシャープに引き締まるワンショルダー

ボディバッグ「バイディレクト ボディバッグ」(縦32×横16×マチ6cm)1万7000円(税別)

軽量かつ撥水性に優れた独自のコーティング素材を使用したボディバッグ。肩掛けやタスキ掛けなど自由に身に着けられるワンショルダー型であり、左右どちらからもアクセスしやすい二列ジップがポイント。マットな質感に加えシャープな細長フォルムは、装い全体をスマートに見せる効果あり。パッド入りショルダーや引き手に長めのレザーストラップをあしらうなど、細やかな作り込みも特徴。

2方向からアクセスできるポケットは、左右どちらの肩に掛けていても取り出しやすい

メインの荷室以外に正面には、左右どちらからでも開けやすい二列ジップのポケットが付けられている。大きく開く入れ口ゆえにボーディングパスなどの長物も入れやすく取りだしやすい。

問い合わせ情報

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サムソナイト・ジャパン

styling:Mariko Kawada
edit & text:Zeroyon Lab.
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)