眼鏡で、好印象を作る

前回の記事では、岡田さんにファッションアイテムとしての眼鏡について語ってもらった。今回は、具体的に眼鏡を提案してもらいながら、ビジネスパーソンが好印象を作るための眼鏡選びについて教えてもらうことにしよう。

前回にも触れたとおり、眼鏡選びで重要なのは、全体の印象を見る、ということ。眼鏡のデザインは顔の印象を大きく変える力があるのは確かだが、全身を鏡に映して客観視することで、自分と眼鏡が馴染んでいるかを一歩引いて観察できるからだ。

加えて、「自分がどのような印象を人に与えたいか、という視点から選ぶのが重要です」と岡田さんが語る通り、自分に似合う、しっくりくることは前提として、さらに一歩踏み込んだ眼鏡選びが、ビジネスの場面で武器になるという。さっそく、4つのデザインをみながら印象づくりについて考えてみよう。

知性的かつ、クラス感を演出する
GERNOT LINDNER(ゲルノット・リンドナー)

モデル名 GL429 価格7万7000円(税別)

ゲルノット・リンドナー氏はアンティーク眼鏡のコレクターにしてデザイナーでもある。顧客にはアップルのスティーブ・ジョブス、ジョニー・デップ、エルトン・ジョンなど著名人も多い。自身の名前を冠した同ブランドは、軟らかく眼鏡に向かない素材であるシルバーを、研究を重ねて剛性とばね性を持つ素材として世界で初めて実用化するノウハウを3年の歳月をかけて開発した稀有な存在である。

「フチなしで、つるはスターリングシルバー製の非常に上品なモデルです。役職に相応しい一つ上のクラス感を演出するのにうってつけです。スーツスタイルにも映えるまさにエグゼクティブにかけてほしい逸品です」(岡田)

カジュアル過ぎずに親しみやすく
Lunor(ルノア)

モデル名 A6 246 価格4万1000円(税別)

ルノアは、前述のゲルノット・リンドナー氏が1992年にスタートさせたブランド。現在はミハエル・フックス氏がチーフ・デザイナーを引き継いでいる。さまざまなモデルをリリースしているが、一本のフレームに200以上もの作業工程を経て作り上げる細部の質感が多くのファンを惹きつけている。

「べっこう柄でカジュアル感があり、親しみやすさを演出できます。ですが、色はグレーを基調にしていますので、カジュアルに傾きすぎないところがポイント。ビジネスの場面に相応しい色柄です。茶系になるとよりカジュアルに」(岡田)

グローバルかつモダンな感性を表す
ROBERT MARC NYC(ロバート・マーク)

モデル名 461 価格5万6000円(税別)

常に変化を続け、新たなトレンドを生み出し続ける街・ニューヨークをブランド名に冠している。こちらも意欲的なシリーズを次々とリリースしているが、いずれも洗練とエネルギッシュが同居している。まさに都会的なブランドだ。

「ニューヨークのブランドらしいモダンなデザイン。眼鏡の形はクラシカルですが、薄いフレームで現代的にアレンジしています。世界中どこに行ってもこの眼鏡なら、感度の高いビジネスパーソンだと、周囲から一目置かれるはずです」(岡田)

誠実さの中に美的感性をのぞかせる
Lunor(ルノア)

モデル名 03 価格5万円(税別)

前述のルノアから、もう一本。いかにも眼鏡然としたルックスだが、フレームの作りこみの確かさは信頼感のあるブランドならではの魅力。

「いわゆる堅めの職業の方にピッタリです。誠実さを感じさせるデザインは一見平凡ですが、質感の良さがあり、存在感も十分。デザインで冒険するわけではないが、きちんとしたものを選んでいるな、ということが伝わるはず」(岡田)

いかがだろうか。それぞれのデザインが演出する個性が伝わったのではないだろうか。もう一つ、前回も触れたとおり、ビジネスの場面では「同じようなデザインのものを長く使って印象を作ることも大切」だと岡田さんは指摘する。

左は普段愛用の丸型。右は3番目に紹介したモダンなデザイン。ぱっと見、別人かと思うほど印象が違う。眼鏡が見た目の印象に与える影響にあらためて驚くほどだ

岡田さん自身は、ここ数年、丸形の眼鏡を愛用している。上の写真は、いつもの丸形とモダンデザインを比較したもの。かなり印象が変わることがわかるはず。会うたびにガラッと印象を変えるよりは、「いつものあの人」と感じてもらうほうが、仕事をすすめる上では得策だろう。

眼鏡愛用者も、コンタクトレンズ派も、裸眼の人も、あらためて眼鏡による自己演出をビジネスの場面に取り入れてはいかがだろうか。

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interview & text:Muneki Mizutani(PRESIDENT STYLE)
photograph:Mutsuko Kudo