第二十九回「大切な人に贈るクリスマスプレゼント問題」
「贈る」
【K】あ、これもありかな……、うーん、どうしよう悩む。
【A】ちょっとクミ、何悩んでるの? 深刻な顔して。
【M】何か困ったことがあるなら相談してよ、水くさい。
【K】違うの、違うの!(笑)夫のクリスマスプレゼントどうしようかって、ちょっと考えてて。いつもギリギリになって結局妥協しちゃうから、今年はちゃんと考えたいなと思っているの。
【A】いいじゃない、改心したのね。きっと喜ぶわよ(笑)
【M】それで何にするの? ニット? それともバッグ?
【K】そのあたりがいいかなって思って目星はつけているんだけど、もう少し探そうかな……。
【A】それにしても、逆に夫からプレゼントもらって結構困ることない?
【M】あった、あった! せっかくプレゼントしてもらっても苦笑いしちゃうことある。こんなにお金使うんだったら先に聞いてよ! って言いたくなったわ。
【K】そうよね、花柄のものならいいと思ってたりして……。私のファッションとは合わないのにお構い無し。その商品だけ見て「可愛い」って思って決めちゃうんだろうね。それにショップスタッフの子が可愛かったりしたらイチコロ。
【A】年齢を重ねるとプレゼントで欲しいものも変わるのよね。昔は大切な人からもらうなら、ともかくジュエリーがいい! なんて思ってたけど、今は「感謝の気持ち」を感じるのがいちばん。フェミニンが好きなのか、ナチュラルなものが好きなのか、それとも、美にまつわることが好きなのか、受け取る人のセンスと好みをよく見てほしいわよね。
【K】そうそう、それで今年なら、どんなものが欲しいの?
「日本での取り扱いが少ないレアブランドの先取りバッグ」
【M】今年気になっているのはちょっとラグジュアリー感のある斜めがけのバッグ。今や斜めがけのバッグは若いコだけのアイテムではなくなったからね。ラグジュアリー感のあるものなら、ショルダーストラップを外せればパーティやディナーでも使えるバッグになるし、ちょっとクラスアップができるわ。
【A】クラッチバッグの代わりにもなるしね。
【M】特に滑らかな仕上りのバックスキン素材なんか、憧れるわ。それでいて超有名どころとは違うラグジュアリーなブランドだったら、嬉しくて倒れる……。
【K】マリ姉、そういうの好きだもんね。
【M】そうそう。シンプルでいて、品がいいのが好き……。それを持って美味しいディナー、素敵だわ~痺れてしまう……。誰か私にプレゼントして~。
【K】はいはい、珍しく妄想入ってるし(笑)。大切な人から贈ってもらってください。
【A】まだ目がハートのまま……。
「シンプル&カラフルな3つ折り財布」
【A】私はやっぱりお財布がいいな。縁起を担いでいるわけでもないけど、1年に1回はお財布取り替えたくて。気持ちの切り替えになるじゃない? また頑張ろうって。
【K】そうね。今年はカラフルなデザインのものをプレゼントされたら嬉しいな。バッグの中で目立つし、念のため現金を持っておきたいときに便利だしね。
【A】まだ長財布を持っているんだけど、最近キャッシュレス化が進んでいるじゃない? それこそディナーに持つバッグも小さくなってきているし。だからコンパクトになる3つ折りの小さいタイプが欲しくて。
【M】同感。最近の3つ折りはコンパクトでもカードもお札もコインも入って結構収納力あるから便利なのよね。
【A】それにちょっとカラフルだとアクセサリーみたいで可愛いしね。滑らかなレザーで高級感があると嬉しいな。そこは若いコたちと差をつけたいかも。
【K】そうね、納得。
「一日を優しい香りで癒してくれるシャワージェル&ボディークリーム」
【K】私、意外と男女問わずお誕生日のギフトでよく使うのがボディウォッシュ。消えもの系だから使って楽しんでもらえばいいかなと思って。ある程度親しい男性なら、「奥さまと使ってください、って」差し上げる。でも厳しい奥様の場合はNGかな。家庭内紛争の素になっても困るし、そこは事前調査が必要かな。
【M】貰うなら、断然セット! マッサージオイルとか、保湿クリームがあったらテンション上がるわ~。それも天然成分やオーガニック素材がマストかな。肌にいいものを選んでくれてるって気持ちも伝わる。
【A】確かにセットでもらえたら嬉しい。夫ならなおさら。癒してくれようとしてるのかしら? って思っちゃう。
【M】クミ、足出しそうだね、マッサージよろしくね~って。でも意外と久しぶりのボディタッチになったりして(笑)
【K】それ、別にどうでもいいんですけど!(笑)。カッサを使って自分でやります。
【A】あ、怒った、でも家で足投げ出すわよ、きっと。
【K】もう、しないってば!
【M】まあまあ、それでもいいじゃない。大切な人へのプレゼントは、心がこもってこそ。2人にわかる言葉や意識があればいいんだから。
【A】そうね。年齢を重ねると会話が少なくなったりするけど、相手を想う気持ちを形にするのは大切よね。
【K】そうね、やっぱり今年はもっとちゃんとクリスマスプレゼント探そっと。
【A】&【M】賛成!
【今回ご協力いただいた方】
BARNEYS NEW YORK PR 新井慶太さん
彼のご登場に、思わず後ずさりしそうになったほどのオーラの持ち主。「何でも知っている玄人感」を漂わせつつのジェントルマンな応対が印象的でした。さらに驚いたのが、大学の卒業を待たずにイタリアのサッカーリーグに所属されたという異色の経歴。「爽やかさをウリにしていた時代もありました」とハニカミながら微笑む新井さんにスタッフは胸を射抜かれたのでした。
【男の身だしなみ向上委員会 by re*colabo】
今の時代、仕事をする上でどれだけ女性の心を掴むかというのは大きなアドバンテージ。そこで、男性の身だしなみを女性たちは実際にどうみているのかを、女性ファッションライターの目線から本音で語ります。身に付けるものは、本人のイメージを左右する重要なファクターであり、気付いていなかったことを改善することにより、改めて身だしなみを整える一歩になれば嬉しく思います。
re*colabo
女性誌出身のクリエイティブ&ライターチーム。これまでに光文社「STORY」、講談社「フォルツァスタイル」など数々の媒体や、書籍で執筆。また、航空会社のオリジナル商品を手掛けるなど、女性ならではの視点で多くのヒット商品を生み出している。その他、女性の心を鋭く分析するマーケティング調査が人気であり、大手化粧品会社ほか、さまざまな企業から依頼を受けている。
マリ(中央)
re*colabo代表。ファッション系出身ライター。「大人だからできる」シックなコンサバを推奨。内面を映すスタイリングに定評あり。
クミ(右)
元バンカーの生真面目ライター。ファッション、グルメ、トラベルなど多岐に渡り執筆。シンプルで「カッコいい」装いが得意。re*colaboで一番マナーやルールに拘りあり。
アキ(左)
人物取材が得意。10代半ばから20代後半まで、フランスとアメリカへ留学。結婚を機に夫の転勤に伴いアメリカにて駐在妻を経験。帰国後ライターに。
photograph:kuma*
text:re*colabo