知る人ぞ知る話だが、たいていのホテルが客室内のテクノロジー開発をアウトソーシングするのに対し、「ザ・ペニンシュラホテルズ」は業界で唯一、独自に開発部門を設け、ゲストの声をスピーディーに反映している。そこで、「仕事力が上がる! ホテル活用術」第4回は、「ザ・ペニンシュラ東京」の快適な滞在の裏に隠された秘話を覗いてみたい。

ゲストへの快適性を常に追求

では早速、「ザ・ペニンシュラ東京」の客室の隅々に行き渡る感動的なテクノロジーをご紹介しよう。まず、下の写真をご覧いただきたい。

ベッドサイドに設置されているベッドサイドコントロールパネルである(写真奥)。随分ボタンが多いとは思わないだろうか? それもそのはずで、このパネルを操作することにより、ライト、エアコン、カーテン、テレビ、電話応答、アラームといった客室内のあらゆる操作がワンタッチで実行できてしまう。つまり、リモコンを取りに行くなど、わざわざベッドから起き上がる必要がないのである。

それから、「バレットボックス」もユニークだ。ホテルで靴磨きやズボンのプレスを依頼するとき、通常は引き取りのタイミングを気にかけなければならないが、「ザ・ペニンシュラ東京」の客室内にはバレットボックスがあり、出来上がり次第、ここに入れておいてくれる。届け物が入っているとボタンが光るという仕組みだ。ゲストは時間をロスせずに済むし、スタッフの方を廊下で待たせることもないので好都合である。

「ザ・ペニンシュラ東京」のデラックススイートのバスルーム。「ザ・ペニンシュラホテルズ」で独自に開発されたテクノロジーが満載だ

他にも感動的なテクノロジーを挙げればきりがないが、特筆すべきは“電話”だろう。「ザ・ペニンシュラ東京」の電話は凄い。仮に客室でテレビやラジオをつけている際に電話がかかってきても、自動的にテレビやラジオの音が消え、相手に伝わらないような設計になっているのだ。また、バスやトイレに備えられているハンズフリー電話にも特殊な仕掛けが施されている。水と反対の周波数のシステムが組み込まれていて、プラスマイナスゼロで水の音が消されるのだ。これなら、ちょっと用を足しながら……なんてことも自由自在である。

ビジネスと観光の中心エリアで開業するというポリシーを持つ「ザ・ペニンシュラホテルズ」はビジネス利用のゲストも多く、客室にはプライベートプリンター付きファックスを用意